淡水生物の4分の1が絶滅危機—2025年、生物多様性の現在地 video poster
世界の淡水動物の約4分の1が絶滅の危機にある——2025年に示された研究は、淡水の生物多様性が陸上や海よりも速いペースで失われている現状を浮かび上がらせました。
いま淡水で何が起きているのか
最近の研究によれば、世界の淡水動物のうち約4分の1が絶滅リスクにさらされています。さらに深刻なのは、淡水の種の減少が、陸上・海洋の生物よりも速いとされる点です。
川や湖、湿地といった淡水域は面積としては限られる一方、生命を支える機能が密集しています。そこで起きる変化は、生物の問題にとどまらず、人の暮らしの基盤にも連鎖しやすい領域です。
減少の主因:4つの圧力が重なる
淡水生物の減少を押し進めている要因として、研究は次の圧力を挙げています。
- 生息地の喪失(川辺・湿地の改変など)
- 汚染(水質の悪化)
- 水インフラ開発(水の流れや環境の変化につながる整備)
- 気候変動(降水・渇水パターンの変化など)
これらは単独で作用するだけでなく、「汚染が進むところに気候変動の極端現象が重なる」「インフラ整備が生息地の分断につながる」といった形で、複合的に影響しやすいのが特徴です。
生物多様性の話なのに、「水の安全保障」に直結する理由
淡水域の変化は、希少な生き物の喪失にとどまりません。研究が示すように、この傾向は人間社会にとっての水の安全保障や、地域の生態系の安定にもリスクをもたらします。
淡水の生態系は、水を浄化する働きや、洪水・渇水の影響を和らげる機能など、社会の「見えにくいインフラ」としても作用します。そこが揺らぐと、自然と暮らしの距離が一気に縮まります。
2025年のスナップショット:警鐘の一方で、保全の動きも続いた
こうした世界的な警告が出る一方で、2025年は中国本土や世界各地で保全行動が継続した年でもありました。過去1年を振り返ると、次のような取り組みが「生物多様性保護の断面」として示されています。
- 新種の発見:調査・研究の積み重ねにより、多様性の「未把握の部分」を可視化する動き
- 絶滅危惧種の回復:保護や管理の継続が、回復の兆しにつながるケース
- 技術の活用:保全や監視、状況把握を支える技術応用の広がり
- 国際協力:国や地域をまたぐ課題に対し、連携して取り組む枠組み
淡水生物の危機は「静かに進む」ため、危機感が共有されにくいと言われます。だからこそ、研究の警鐘と、現場の取り組みの両方を並べて捉えることが、年末のいま求められているのかもしれません。
2026年に向けて:見えない変化を、見える行動に変えられるか
淡水域で起きていることは、遠い自然の話ではなく、社会の安定と同じ地平にあります。2025年に積み上がった調査、回復の兆し、技術と協力の試みが、2026年にどんな「継続」と「広がり」を持てるのか。次に注目したいのは、危機を語る言葉よりも、日常の意思決定に組み込まれる保全の形です。
Reference(s):
From freshwater to deep space: A 2025 review of biodiversity
cgtn.com








