中国本土最高標高の水力発電所「葉巴灘」、初の発電開始
中国本土で最高標高の水力発電所として建設が進む「葉巴灘(イエバタン)水力発電所」が、12月27日(土)に初回の発電ユニットを運転開始し、エネルギー安全保障と新たなエネルギーシステムづくりに向けた動きが一段進みました。
何が起きたのか:まず2基が稼働へ
発表によると、葉巴灘水力発電所は最初の発電ユニット群が運転を開始しました。第1段階では4号機と3号機が順次コミッショニング(試運転・調整)を終え、1か月の間に2基がオンライン化したとされています。
どこにある?:金沙江の本流、四川―西蔵区間の大型案件
発電所は中国本土南西部を流れる金沙江(きんさこう)本流に位置し、第14次五カ年計画(2021〜2025年)に盛り込まれた主要プロジェクトの一つです。
- 総設備容量:224万キロワット
- 位置づけ:金沙江上流の四川―西蔵区間で、設備容量ベース最大級
- ダム:最大高さ217メートルの双曲アーチダム(曲面形状で水圧を分散する方式)
工事の難所:高地・寒冷・巨大アーチダムという複合条件
現場は高標高かつ寒冷で、超高アーチダムに加えて、高い地圧、深い埋設条件、大スパンの地下発電所など、工学的に難度の高い条件が重なったと説明されています。
こうした環境下で、開発側は高地の寒冷地における冬季コンクリート打設技術を研究。中国本土で初めて、同種条件下でダムの通年・連続コンクリート打設を実現し、同様の環境での「継ぎ目を極力つくらない」施工(いわゆる“シームレス”施工)に知見を残したとしています。
稼働後の見込み:年間102億kWh、石炭代替とCO2削減
フル稼働後は、年間102億キロワット時超の発電が見込まれています。発表ベースでは、標準炭で約310万トン/年の節約、二酸化炭素排出は830万トン超/年の削減効果が見込まれるとのことです。
電気はどこへ:±800kVのUHVDCで「中部」へ送電
発電された電力は、金沙江—湖北を結ぶ±800kVの超高圧直流送電(UHVDC)で中国本土の中部へ送られる計画です。水力と太陽光を組み合わせた大容量の“ハイブリッド回廊”として位置づけられ、電源構成(エネルギーミックス)の最適化や、グリーン・低炭素転換の後押し、エネルギー安全保障の強化につなげる狙いが示されています。
いま注目される理由:五カ年計画の最終年に動く「供給の安定」
2025年は第14次五カ年計画の最終年にあたり、計画に掲げた大型インフラが「稼働」という形で可視化されるタイミングでもあります。再生可能エネルギーの拡大は発電量だけでなく、送電網や運用技術と一体で評価される局面に入っており、葉巴灘の立ち上がりは、その現実的な一例として静かに注目を集めそうです。
Reference(s):
China's highest-altitude hydropower station begins power generation
cgtn.com








