KPLがAI活用へ:ban-pickや戦闘をシミュレーション、eスポーツ強化に本腰 video poster
中国本土のeスポーツリーグ「KPL(King Pro League)」が、AI(人工知能)をチーム強化に取り入れる動きを本格化させています。勝敗を左右しやすいban-pick(事前の禁止・選択)や戦闘局面をAIで再現し、人の経験と組み合わせて競技力を高める狙いです。
AIは“コーチ”になるのか──KPL責任者が語った方向性
KPL(Honor of Kings Esports)の責任者であるCheng Huang氏は、AIの応用を探っていることを明らかにしました。ポイントは、AI単独ではなく「人の洞察(human insight)」と組み合わせる設計にあるといいます。
具体策:戦闘シーンとban-pickをAIでシミュレーション
Huang氏によると、KPLはクラブと連携し、次のような用途でAI活用を進めています。
- 特定の戦闘シナリオの再現:試合で起きやすい局面を想定し、判断や連携の精度を上げる
- ban-pickフェーズのシミュレーション:相手の狙いを読みながら、禁止・選択を積み上げる“読み合い”を強化する
ban-pickは、試合前にチームが交互にキャラクターを「禁止(ban)」し「選択(pick)」する工程で、戦術上の優位を作るための重要局面です。ここをAIで反復・検討できれば、準備の質が変わる可能性があります。
「将来のトレーニングと競技システム」にも期待
Huang氏は、AIがKPLの将来のトレーニングや競技システム作りに「非常に役立つ」可能性があるとの見方も示しました。試合の反省や対策は、これまで経験則や映像分析に支えられてきましたが、AIが入ることで検討の速度や幅が広がることが想定されます。
背景:中国本土サーバーで日次1億3900万人、世界で月間2億6000万人超
KPLは、ゲーム「Honor of Kings」の公式プロリーグです。公式データとして、同作の中国本土サーバーの日次アクティブユーザーが1億3900万人を超え、グローバルの月間アクティブユーザーが2億6000万人を超えたことも示されています。
競技人口・視聴者層が大きい市場では、練習の「標準」が短期間で更新されやすい一方、差別化の難しさも増します。AIは、その差を生むための“新しい道具”として注目されている形です。
2026年を見据え、観戦の間口も広げたい
Huang氏は、2026年のアジア競技大会やオリンピックを見据え、より多くの人がeスポーツを楽しめるようになることへの期待も語りました。大会の魅力が伝わるには、競技レベルだけでなく、観戦のしやすさ(分かりやすい見せ方やアクセスの良さ)も鍵になります。
AI活用はチームの裏側の話に見えますが、試合の質や戦術の多様化を通じて、結果的に“見る側の体験”にも波及していくのか。2025年末時点でのKPLの動きは、その変化の前触れとして静かに注目されそうです。
Reference(s):
KPL taps into AI amid robust expansion of China's gaming market
cgtn.com








