中国で初めて「ギガワット級」の洋上太陽光(洋上PV)プロジェクトが、送電網への全面接続(全量系統連系)を完了しました。外海に設置する太陽光としては世界最大とされ、再生可能エネルギーの供給力を“面”で増やす動きが一段進んだ形です。
何が起きた?(2025年12月26日の発表)
中国能源投資集団(China Energy Investment Corporation)によると、山東省・東営市の墾利区沖に建設された中国初の1GW級洋上太陽光発電が、12月26日(発表)に全て系統へ接続されました。開発は同集団の子会社である国華能源投資が担っています。
プロジェクトの規模:海の上に「発電するプラットフォーム」2,934基
計画地は墾利区沖の外海で、面積は1,200ヘクタール超。洋上に設置された巨大PVプラットフォームは2,934基にのぼります。
- プラットフォーム1基の大きさ:長さ60m × 幅35m
- 体感イメージ:標準的なバスケットコート約5面分
技術面のポイント:66kV海底ケーブルで「大容量・長距離」を狙う
今回の案件は、洋上でつくった電気を陸上の需要地へ運ぶ“最後の一手”でも新しさがあるとされています。発表によれば、中国のPV分野で初めて、66kVの洋上ケーブルと陸上ケーブルを組み合わせ、大容量・長距離の送電を実現したとのことです。送電容量を確保しつつコストを抑える設計思想が、今後の大型化の前提条件になりそうです。
荒天と氷への備え:固定杭+鋼トラスの設計
国華能源投資の墾利プロジェクト副責任者・張波氏は、基礎構造に固定杭方式を採用し、大型鋼トラスを組み合わせた点を説明しています。構造は「4本杭+太陽光プラットフォーム」で、パネル角度は15度に精密に設定。これにより、風力11級の強風や冬季の氷条件に耐えることを想定しつつ、鋼材使用量を10%超削減したとしています。
どれくらい電気を生む? 年17.8億kWh、地域需要の6割相当
フル稼働後の年間発電量は約17.8億kWh(1.78 billion kWh)が見込まれ、これは墾利区の総電力需要の約60%を賄う規模だとされています。大規模発電が地域の需給バランスや供給安定に与える影響は小さくありません。
なぜ今、洋上PVが注目されるのか
洋上PVは、陸上の用地制約を受けにくい一方で、塩害・波浪・保守といった海上特有の課題を抱えます。今回のように、外海での大型化と送電・耐候設計がセットで示されると、洋上風力など他の海洋エネルギーとの“同じ海域での最適配置”といった議論も現実味を帯びます。発表では、本案件が大型洋上PVのモデルになることへの期待も示されています。
洋上に発電設備を広げる動きは、電源の多様化と安定供給の両立をどう設計するか、という問いを改めて浮かび上がらせます。送電網との接続まで完了した今回の節目は、建設規模だけでなく「運用段階に入った」こと自体が次の展開を左右しそうです。
Reference(s):
China's first gigawatt offshore solar project fully grid-connected
cgtn.com








