CMGが発表「2025年 中国本土の農村振興トップ10ニュース」
中国本土の農村振興(農業・農村・農民)をめぐり、2025年の到達点を一気に俯瞰できる「トップ10ニュース」を、China Media Group(CMG)が12月29日(月)に公表しました。
CMGの「トップ10」が示す、2025年の農村振興の見取り図
今回のリストは、食料生産、インフラ、法制度、文化振興までを横断しながら、農村の近代化をどう進めるのかを一本の線として見せる構成になっています。個別の政策や数字は専門的に見えますが、論点は大きく分けると次の3つに整理できます。
- 国家計画としての優先順位(農業・農村・農民を最優先課題に)
- 基盤の底上げ(食料、通信、水、医療保障など生活・生産の土台)
- 制度と文化(集団経済組織の法制化、地域の文化・慣行のアップデート)
トップ10の要点(何が「今年のニュース」だったのか)
1)第15次五カ年計画(15th Five-Year Plan)に向けた「最優先事項」
第20期中国共産党中央委員会の第4回全体会議で採択された、第15次五カ年計画策定に関する提言では、農業・農村・農民に関する課題を最優先に位置づけ、農業・農村の現代化と全方位の農村振興を進める方針が示されたとされています。
2)「緑水青山は金山銀山」提唱から20年:生態文明の実践例
2025年は、「緑の豊かさが価値になる」という考え方(「lucid waters and lush mountains are invaluable assets」)が節目の20年を迎えた年として言及されています。浙江省の旧鉱山村・余村(Yucun)が、環境再生と持続可能な観光のモデルへ転換してきた経緯も、象徴的なエピソードとして挙げられました。
3)農業人材の育成:大学への期待
中国農業大学の創立120周年に際し、教職員・学生・卒業生へ祝意が示され、農業に専門性と情熱を持つ人材育成が呼びかけられたとされています。農村振興が「人」で進む面を、政策ニュースの中に組み込んだ形です。
4)穀物生産:2024年の大台超えと、2025年の安定増
穀物生産は、2024年に初めて1.4兆斤(7億トン)を超え、2025年も安定的に推移し、総生産量は約1.42975兆斤(7億1487.5万トン)、前年比1.2%増とされています。農村振興のニュースでありながら、食料安全保障の話題としても読めます。
5)2024〜2035年の農業強化、2024〜2027年の農村振興:中長期の「到達目標」
農業強化(2024〜2035年)と全方位の農村振興(2024〜2027年)の計画が示され、2027年に農村の現代化で「大きな進展」、2035年に全方位の振興で「決定的な進展」、農業現代化の実現と現代生活の基本条件整備が目標とされています。
6)2025年の「中央一号文件」:今年の最重要政策メッセージ
2025年の「中央一号文件」(年初に出される最初の政策文書)では、農業・農村・農民に関する取り組みの強化がうたわれ、全方位の農村振興を進め、農業基盤をさらに固める目標が掲げられたとされています。
7)通信・水・医療:生活インフラの到達点(第14次五カ年計画の最終年)
2025年は第14次五カ年計画(2021〜2025年)の最終年であり、到達点として次が挙げられました。
- 全ての県がギガビット網に接続
- 全ての郷鎮で5Gをカバー
- 全ての村でブロードバンド利用可能
- 農村の水道普及率は96%
- 2,199県で「緊密型医療共同体」を県レベルで実施
- 村の診療所の95%超が医療保険制度に組み込まれた
「産業」だけでなく、「暮らしの前提条件」を整えることが、農村振興を支える土台として強調されています。
8)貧困対策の移行期間が終了:再貧困の大規模発生を防ぐ枠組みへ
5年間の移行期間が順調に終了し、貧困対策の成果が巩固(定着)・拡大されたとされます。大規模な再貧困を防ぐ基礎が確保され、定期的な支援が農村振興戦略の包括実施に組み込まれた、という位置づけです。
9)農村集団経済組織の法律:集団の「権利・財産・分配」を明確化
農村集団経済組織に関する法律が施行され、集団経済組織の「特別な法人としての位置づけ」、財産管理、収益分配の仕組みが明確化されたとされています。現場の経済活動を、制度面から支えるニュースとして注目点です。
10)農村の文化と生活の質:礼儀・文明、芸術による文化振興
農村の社会礼儀と文明に関する初の会議が開催され、中央宣伝部など7部門が「文学・芸術で農村文化を豊かにする作業計画(2025〜2027年)」を共同発出。農村文化の振興、古い慣行の改善、住み働きやすい美しい農村づくりが提案されたとされています。
数字の裏側:農村振興が「産業政策」だけで終わらない理由
今回のトップ10を眺めると、穀物生産や通信網といった“分かりやすい成果”と並んで、法律、医療保障、文化のように“成果が見えにくい領域”が同じテーブルに載っています。農村振興を、単に所得や産業の問題としてではなく、生活基盤・制度・コミュニティの質まで含めた長期プロジェクトとして設計していることが読み取れます。
年末のこのタイミングでの総括は、2025年の出来事を整理するだけでなく、次の計画期間に向けた論点(食料、人口、地域の持続性、公共サービスの届け方)を浮かび上がらせる役割も持ちそうです。
Reference(s):
CMG reveals top 10 news on China's rural revitalization in 2025
cgtn.com








