神舟21号、軌道上で多分野実験を本格化 EEGから植物・電池研究まで
中国の宇宙ステーションで任務に就いている「神舟21号」乗組員が、宇宙医学から植物学、微小重力物理、電池研究まで、複数分野の実験を進めています。2025年11月1日の打ち上げから間もなく2カ月となる中、6カ月ミッションの“中盤”に向けて科学活動が厚みを増している点が注目されます。
神舟21号とは:3人の航天員で6カ月滞在
神舟21号の乗組員(航天員/タイコノート)は、指揮官の張路(ジャン・ルー)氏、呉飛(ウー・フェイ)氏、張洪章(ジャン・ホンジャン)氏の3人です。役割はそれぞれ、宇宙パイロット、フライトエンジニア、ペイロードスペシャリスト(実験担当)とされ、現在の中国の有人宇宙活動における3つのカテゴリーを代表する構成だといいます。
宇宙医学:EEGで認知・感情のデータを収集
宇宙滞在が身体や脳に与える影響を探る宇宙医学では、脳波(EEG)機器を使ってデータを収集しました。メタ認知モニタリング研究や、集団の脳の「認知-感情」を分析・調整する研究などの実験プロジェクトに関わり、地上側研究者の継続的な分析を支える位置づけだとされています。
生命科学:ラボモジュールで植物サンプル採取
Wentian(問天)実験モジュールでは、サイエンスグローブボックスを使用し、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)のサンプルを採取しました。植物の幹細胞に関する分子ネットワークの調節研究を支える目的だとされています。
微小重力物理:流体・燃焼・無容器実験の保守と交換
微小重力下の物理実験では、流体物理実験キャビネット内の複雑流体実験モジュールを分解・再組立てし、計画に沿ってサンプルを交換しました。
また、燃焼実験キャビネットのプラグイン式ガス実験ではサンプリングカバーを交換。無容器(containerless)キャビネットの実験チャンバーでは清掃とサンプル交換を行い、さらに軸方向機構の電極のメンテナンスも実施したとされています。
電池研究:リチウムイオン電池の「樹枝状成長」を可視化へ
宇宙用途のリチウムイオン電池を対象に、軌道上での「その場(in situ)」電気化学・光学研究プロジェクトも開始しました。ペイロードスペリャリストの専門性を生かし、リチウムデンドライト(樹枝状析出)が成長していくプロセス全体の撮像を狙うとされています。
健康管理:骨密度から視機能まで定期チェック
科学実験と並行して、乗組員は骨密度測定、心電図、血圧、視機能測定などの医学検査も受け、軌道上の健康状態を総合的に評価したといいます。長期滞在の安定運用には、こうした定期的なコンディション確認が欠かせません。
神舟21号は今後も6カ月の滞在期間の中で、データ取得、装置の保守、サンプル交換といった積み上げ型の作業を重ねながら、地上の研究と連動して成果を形にしていくことになりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








