中国の研究チーム、13臓器の「老化」を予測する新モデルを開発
臓器ごとに進む「老化」の違いを、遺伝情報からより精密に見分ける——。中国の研究チームが、脳を含む13の臓器について老化レベルを予測する新たなモデルを開発したと、2025年12月29日付のChina Science Dailyが報じました。
何が新しい?「臓器別の老化」を同じ物差しで測る発想
これまでの研究は、加齢の共通点(全身としての老化)に焦点を当てたり、特定の臓器だけを個別に調べたりするものが中心でした。そのため、臓器ごとの遺伝的な特徴や分子レベルの経路(体内で起きる反応のつながり)を整理して理解するのが難しく、精密な抗加齢(アンチエイジング)戦略の開発や実装の制約にもつながっていたといいます。
研究の中身:119の関連領域、臓器をまたいで共通なのは27だけ
研究チーム(西安交通大学の楊鉄林氏が率いる)は、ゲノム全体を対象に関連を探す「ゲノムワイド関連解析(GWAS)」を実施し、臓器の老化に関連する119の遺伝子座(遺伝情報上の位置)を特定しました。
- 臓器老化に関連する遺伝子座:119
- 複数臓器に共通して関連した遺伝子座:27
この結果は、老化の遺伝的な調節が臓器ごとに大きく異なることを裏づけるものだとしています。
554のリスク遺伝子を同定、臓器の生理機能と整合
研究ではさらに、臓器の老化リスクに関わる554の遺伝子を選定・同定。これらの遺伝子は、それぞれの臓器の生理学的特徴(その臓器らしい働き)と高い整合性を示し、臓器ごとの老化を支える中核的な分子メカニズムの手がかりになるとしています。
臨床応用に向けたポイント:多集団で予測精度、早期スクリーニングにも
新モデルは、多様な集団で臓器老化の状態を評価するうえで、堅牢で正確な予測能力を示したとされます。今後の基礎研究(メカニズム解明)だけでなく、臨床応用の土台になる可能性があるとしています。
また、次のような活用も示唆されました。
- 高リスク群の早期スクリーニング(早い段階での抽出)
- 臓器老化と慢性疾患の因果関係の整理
- 喫煙が特定臓器の老化に与える影響の把握
研究発表
研究成果は学術誌Nature Communicationsに掲載されたと報じられています。
「老化」は一枚岩ではなく、臓器ごとに速度も道筋も違う——その前提に立つと、健康管理や予防の設計図も、より細かな単位へと更新されていくのかもしれません。
Reference(s):
Chinese researchers establish new model to predict human organ aging
cgtn.com







