中国の砕氷船「雪龍」、南極・秦嶺基地沖に到着 補給と観測を本格化
南極観測の“現場力”を左右する補給が動きました。中国の極地砕氷船「雪龍(Xuelong)」が2025年12月29日(月)、南極の秦嶺基地(Qinling Station)沖の海域に到着し、第42次南極科学観測遠征の一環として物資の陸揚げ作業を始めたと伝えられました。
5日ほどで約1,400トンを荷揚げへ
遠征隊の責任者・魏福海(Wei Fuhai)氏によると、陸揚げする物資は約1,400トンで、作業はおおむね5日間を見込んでいます。内訳には、基地運用に必要な後方支援物資、建設・保守のための資材、科学研究用の物品、そして秦嶺基地向けの燃料が含まれるとされています。
輸送はバージ(艀)で、回収物は中国本土へ
物資は主にバージ(艀)で基地へ運ばれる計画です。また作業の進み具合に応じて、一部の物資や廃棄物を雪龍に積み込み、中国本土へ回送する可能性もあるとしています。現地では、荷揚げと並行して施設関連の工事も進められています。
秦嶺基地とは:ロス海域をカバーする“5つ目の拠点”
秦嶺基地は、中国の南極における5つ目の科学拠点で、昨年(2024年)2月7日に運用開始しました。ロス海(Ross Sea)周辺での研究体制を補完し、観測の空白を埋める役割を担うとされています。
- 延べ床面積:5,244平方メートル
- 収容人数:最大80人
- 特徴:中国の既存基地群の中で、単体建物として最大規模
補給だけではない:空撮と海洋調査も同時進行
今回の補給任務では、物資輸送に加えて科学観測も組み込まれています。遠征隊はヘリコプターを用いた基地周辺の航空写真撮影を行うほか、雪龍を運用して海洋調査などの研究タスクも進める計画です。
この動きが示すもの:基地運用は「通信」と「支援施設」が要
遠征は中国の自然資源部が組織し、研究棟や通信ネットワークを含む支援施設の整備を続けるとされています。南極では、観測機器そのもの以上に、燃料・通信・人員の滞在環境といった“土台”が研究の継続性を左右します。今回の補給と並行工事は、秦嶺基地の運用支援と研究能力を段階的に押し上げる取り組みとして位置づけられます。
Reference(s):
cgtn.com







