深センでBCI最前線:脳科学×AI連携と116億元ファンドが始動
中国本土のハイテク都市・深センで開催中の「2025 Shenzhen Brain-Computer Interface & Human-Computer Interaction Expo(脳-コンピューター・インターフェース/ヒューマン-コンピューター相互作用)」で、BCI(Brain-Computer Interface)技術と脳科学応用の最新動向が集中的に紹介されています。年末の今、研究から医療・産業へと“実装”を急ぐ動きが、会場の主題になっています。
BCI(脳-コンピューター・インターフェース)とは何か
BCIは、脳活動の信号を読み取り、外部機器の操作やコミュニケーション支援につなげる技術です。医療やリハビリ、ヘルスケアの現場では、身体機能の補助や回復支援などへの応用が期待されており、近年はAI(人工知能)を組み合わせた解析・支援の高度化が進んでいます。
注目点①:大湾区で「脳科学×AI」新アライアンスが発足
今回の会期中、粤港澳大湾区(グレーターベイエリア)で、脳科学および中枢神経系疾患に関するAIイノベーション・アライアンスの立ち上げが打ち出されました。狙いは、研究成果を医療現場へつなぐまでの流れを太くし、技術開発のスピードと確度を上げることにあります。
アライアンスが掲げる3つの重点分野
- 神経系の創薬イノベーション(新薬開発)
- BCIとAIを組み合わせた脳の健康・医療ソリューション
- 研究室(ラボ)から臨床応用までをつなぐ「フルチェーン」基盤づくり
「ラボで生まれた技術が、臨床で使われ、事業として継続する」までを一続きで設計する発想が前面に出ている点が特徴です。
注目点②:116億元の脳科学産業ファンド、投資案件も動き出す
会場では、脳科学分野を対象とする規模116億元(約1億6500万米ドル)の産業ファンドも公表され、あわせて最初の投資予定プロジェクト群の調印が行われました。ファンドは、初期研究から成長段階、商用化までの各フェーズを支援する設計とされ、政府投資を呼び水にしながら、より幅広い民間資本の参加を促す枠組みです。
資金の狙いは「研究の谷」を越えること
先端医療・脳科学の分野では、研究成果が出ても、製品化や臨床導入までに時間と資金がかかりやすいと言われます。今回のファンド構想は、そうした移行期を支える資金循環を作り、企業の成長と技術の社会実装を同時に後押しする意図が読み取れます。
いま何が起きているのか:展示会が示す「産学医+投資」の束ね方
2025年12月現在、深センの展示会は、単なる技術発表の場というより、研究(大学・研究機関)/医療(臨床)/産業(企業)/投資(ファンド)を同じフレームで束ねる“実務の交差点”としての色合いを強めています。BCIのように倫理・安全性・医療評価など複数の論点を伴う技術ほど、技術力だけでなく、臨床や資金、運用体制の整備が同時に問われます。
今回のアライアンスとファンドは、その整備を「地域単位」で加速させようとする動きとして、今後の進展が注目されます。
Reference(s):
China showcases advances in brain-computer interface (BCI) technology
cgtn.com








