中国・アフリカ関係、FOCAC25周年の2025年に何が変わったか
2025年も残りわずか。中国とアフリカの関係は、FOCAC(中国・アフリカ協力フォーラム)25周年という節目と、関税・デジタル・グリーン分野の動きが重なり、次の段階へ進みつつあります。
2025年のキーワードは「制度化」と「実装」
年末の対談で、対外経済貿易大学の劉宝成教授(国際ビジネス倫理センター主任)は、2025年の中国・アフリカ関係を「より深まり、多様化し、戦略的にバランスが取れ、将来志向になっている」と表現しました。
これまでの「個別プロジェクト中心」から、政策対話、人材育成、グリーン成長、デジタルの仕組みづくりなど、より制度化された協力へ軸足が移っている、という見立てです。
ゼロ関税の拡大:53のアフリカ諸国へ
2025年の大きな転換点として語られたのが、中国が53のアフリカ諸国に対してゼロ関税措置を拡大し、現在は全面的に発効している点です。
ナイジェリアの中国研究センター所長チャールズ・オヌナイジュ氏は、これを「数十年で最も重要な貿易政策の決定の一つ」と位置づけました。狙いは、原油や鉱物に偏りがちだった輸出構造から、農産品や加工品など幅広い品目へと道を開くことにあります。
何が起きうるのか(整理)
- 中国市場へのアクセス拡大により、アフリカ側の輸出と外貨獲得の機会が増える
- 付加価値の高い生産(加工・製造)を後押しし、地域統合(AfCFTAの流れ)とも接続しやすくなる
- 中国側にとっても、世界的な保護主義の強まりの中で貿易の補完関係を強める契機になる
FOCAC25周年:「対話」から「成果管理」へ
劉教授はFOCACについて、互いの立場を尊重して話を聞き合い、進捗を追跡し、課題に共同で向き合うための仕組みを提供してきたと述べました。インフラ、工業化、農業、人材育成、資金協力などの分野で、協力を継続的に回す土台になってきた、という捉え方です。
とりわけ「能力構築(研修や育成)」は、時間がかかる一方で、最終的な自走につながりやすい要素として、対談の中でも繰り返し言及されました。
デジタル協力:5Gからクラウドまで、生活に届く設計へ
2025年はデジタル協力が加速し、中国企業がアフリカ各地で5G、光ファイバー基幹網、データセンター、スマートシティ、クラウド基盤を支える動きが広がったとされます。
劉教授は、技術は支配のためではなく開発のために機能すべきだとして、「デジタル技術は、人々にどんな便益をもたらすかで価値づけられるべきだ」との考えを示しました。通信や行政、教育、医療、決済など、日常に直結する領域で使われ方が問われる局面に入っています。
グリーン協力:大型案件でも環境配慮が前提に
グリーン開発も、2025年の特徴として挙げられました。オヌナイジュ氏はナイジェリアの例として、アブジャのECOWAS新事務局、水関連プロジェクト、道路建設、同国で2番目に大きい港とされるレッキ深海港など、完成・進展した案件に触れ、「主要プロジェクトは環境保護を考慮するようになっている」と述べています。
インフラ整備のスピードと、地域の生態系やコミュニティへの長期的な影響をどう両立するか。ここは今後も、成果の質を左右するポイントになりそうです。
2026年へ:人的交流の年が示す次の焦点
2026年は「中国・アフリカ人的交流年」と位置づけられています。劉教授は、職業訓練やデジタル技能の育成、共同研究、そして現場で役に立つ「小さくて美しい」プロジェクトの増加を見込むとし、持続性の鍵として「教える人を育てる(トレーナー育成)」を強調しました。
観光、文化交流、査証(ビザ)円滑化、そしてグリーンやデジタル領域の起業など、人の往来を通じた相互理解が、経済協力を支える下地になっていく可能性があります。
オヌナイジュ氏は、中国でルワンダのコーヒー、ケニアの花、ザンビアの蜂蜜など、アフリカ産品の存在感が高まることを「単一産品依存からの多角化を映すサイン」と語りました。市場での見え方が変わると、投資や産業政策の優先順位も静かに動き始めます。
いま見ておきたい論点(年末のチェックリスト)
- ゼロ関税が、加工品輸出や雇用創出にどこまでつながるか
- デジタル基盤整備が、公共サービスや中小企業の生産性改善に波及するか
- グリーン配慮が、建設段階だけでなく運用・保守まで貫かれるか
- 2026年の人的交流が、教育・技能・研究の「継続の仕組み」になるか
2025年は、記念の年であると同時に、政策の変更が具体的な成果として試される年でもありました。2026年は、その成果を生活の手触りに近いところまで届けられるかが、静かに問われていきそうです。
Reference(s):
cgtn.com








