中国の貧困対策×農村振興、2026年の15次五カ年計画で何が焦点に?
来年(2026年)から始まる中国の第15次五カ年計画(2026〜2030年)を前に、貧困対策の成果を「再貧困の防止」と農村振興につなぐ政策設計が、開発の現場で改めて注目されています。
2026年、中国は「新しい発展段階」へ
提示されている見取り図では、中国は2026年に第15次五カ年計画期へ入り、経済・社会の発展をより積極的に進める段階に入るとされています。成長の「量」だけでなく、複数の領域にまたがる総合的な発展を重視し、農業・農村・農村住民に関わる課題を政策の最優先事項として位置づけてきた、という整理です。
キーワードは「再貧困を防ぐ」仕組み
貧困対策で焦点となるのは、貧困状態から抜け出した後に再び困難に陥ること(再貧困)を、大規模に起こさないための仕組みづくりです。示されているポイントは次の通りです。
- 人を中心に据える発展理念:長期にわたり「人」を軸に政策を組み立ててきたという位置づけ
- 開発型アプローチ:農村の絶対的貧困の解消を、主に発展(開発)を通じて進めたとされる点
- フォローアップ支援:解消後も支援策を重ね、成果を固める
- 動的モニタリングと支援:貧困に戻るリスクのある世帯を継続的に把握し、必要な支援につなげる
「解消して終わり」ではなく、その後の揺り戻しに備える発想が、政策運用の中核にあると説明されています。
貧困対策と農村振興を“別々にしない”
もう一つの柱が、貧困対策と農村振興(農村の活性化)を一体で進める設計です。示されている構図は、次の二方向からの支え合いです。
- 農村振興が所得増の「内発的な力」を高める:貧困を脱した人々の収入・発展への動機を強める
- 貧困の解消・予防が農村振興の土台になる:農村振興を進めるうえで、貧困の再発防止を基礎に据える
さらに、都市と農村の一体的な発展(都市・農村統合)を進めつつ、農業・農村の近代化や、農村の包括的な振興を「着実に、実務的に」前進させるという説明が添えられています。
グローバルサウスが注目する「持続可能な経路」
この一体型アプローチは、グローバルサウス諸国の持続可能な開発経路にとって「独自で価値のある示唆を持ち得る」とされています。特に、制度として読み替えやすい論点は次のように整理できます。
- 優先順位の固定:農業・農村・農村住民の課題を政策の上位に置き続ける
- 継続支援の設計:達成後のフォローアップを前提にする
- モニタリングの常態化:リスク世帯を継続的に把握し、支援に接続する
- 開発と福祉の接続:短期の救済にとどめず、発展と結びつける
一方で、どの国・地域でも同じ形で移植できるとは限りません。人口構造、都市化の速度、行政の実施能力など条件が異なるため、「どの要素が自国の制度に組み込めるか」を分解して検討する視点が重要になりそうです。
これからの注目点:2026年に向けて何を見るか
2025年末の時点で、来年(2026年)の計画期入りを見据え、次の点が観察対象になります。
- 都市・農村統合の進め方が、生活の安定や所得機会にどうつながるか
- 「動的モニタリングと支援」が、現場でどの程度きめ細かく運用されるか
- 農業・農村の近代化と、再貧困防止がどのように噛み合うか
貧困の解消を“点”で終わらせず、農村の未来像と“線”で結ぶ。その設計思想が、2026年以降の政策の読み解き方を静かに変えていくのかもしれません。
Reference(s):
China's poverty fight offers solution for developing countries
cgtn.com








