中国本土、AI改変「マッシュアップ動画」乱用に対策へ 2026年1月から1カ月集中
中国本土の国家ラジオ・テレビ総局(NRTA)は、生成AIで改変された「AIマッシュアップ動画」の不適切な拡散に対応するため、2026年1月1日から全国で1カ月間の特別キャンペーンを実施します。年明け直後から、映像コンテンツの“改変のされ方”がより厳しく点検されることになりそうです。
何が起きている? 生成AIで「作品の意味」が変わってしまう問題
NRTAによると、生成AIの急速な普及を背景に、一部のオンラインアカウントがAIツールを使い、古典的な映画・テレビドラマ・アニメ作品を過度に歪める、パロディ化する、下品にするといった形で再編集・再生成する例が広がり、社会的な懸念を呼んでいるといいます。
ここでいう「AIマッシュアップ」は、既存映像を素材にしつつ、AIで顔や声、文脈、演出を変えるなどして“別の意味”をまとわせた動画の総称として扱われています。
キャンペーンの対象:古典・歴史・英雄像など、影響が大きい領域
今回の取り締まりは、特に影響が大きいとみられる題材に焦点を当てます。NRTAは、次のようなテレビ作品由来のAI改変動画の削除・整理を進める方針です。
- 四大名著(いわゆる「四大古典小説」)を原作とする作品を素材にしたもの
- 歴史・革命をテーマとする作品の改変
- 英雄・模範人物の描写を含む作品の改変
問題視される表現の具体例
NRTAが挙げた「ターゲットとなるコンテンツ」には、たとえば次のような要素が含まれます。
- 原作の精神や人物像から著しく逸脱している
- 暴力・過度な刺激・下品さをあおる
- 歪んだ価値観を伝える、または公序良俗を損なう
また、中国文化の流用や歪曲が目立つケースについても、歴史や文化的シンボル、ナショナル・アイデンティティに関する誤解につながるとして、重点的に対処するとしています。
子ども向けキャラクターの「改変アニメ」も整理へ
発表では、子どもに親しまれているアニメキャラクターを改変して作られた、いわゆる「カルト風」のアニメーション(不穏・過激・不適切な雰囲気を帯びたもの)も、今回の整理対象として明記されました。視聴者層が広いぶん、拡散の速さと影響の大きさが意識されているとみられます。
1カ月で終わりではない:結果を検証し「常態化した管理」へ
NRTAは、2026年1月のキャンペーン終了後に成果を点検し、長期的な管理措置(仕組みの改善を含む)をさらに整備する考えを示しました。短期の一斉対応だけでなく、継続的に運用できるルールづくりへ移る構えです。
生成AI時代の論点:「創作」と「改変」の境界線
生成AIは、字幕の自動生成やノイズ除去など、映像の利便性を高める使い方が広がる一方で、既存作品の世界観や人物像を大きく変える編集も容易にしました。今回の動きは、動画プラットフォーム運営や制作者にとって、
- どこまでを二次創作として許容するのか
- 文化・歴史題材の取り扱いをどう整理するのか
- 子ども向け領域の安全性をどう守るのか
といった論点が、2026年に向けてより前面に出てくることを示しています。
Reference(s):
China launches campaign to curb abusive use of AI-altered videos
cgtn.com








