2025年も残りわずか。中国の旧暦新年(春節)を前に、家々に貼られる「年画(ねんが)」の世界で、馬をテーマにした絵が注目を集めています。古い年を送り新しい年を迎える――その節目の気分を、馬の躍動感がまっすぐに引き立てるからです。
年画とは:貼って迎える「新しい年」
春節の風習の一つに、年画を家の入口などに貼る習慣があります。年画は、「古い年に別れを告げ、新しい年を迎える」ことを象徴する伝統的な絵で、家の内外に晴れやかな空気を呼び込む存在として親しまれてきました。
門の守り神「門神(もんしん)」は名馬とともに描かれる
年画でよく知られるモチーフが、門を守る神としての武将です。なかでも、1000年以上前の唐代の名将として知られる秦瓊(しんけい)と尉遅恭(うっちきょう)は、門神として頻繁に描かれます。
この2人は、立派な馬にまたがる姿で表現されることが多いとされます。門の前に配される図像として、強さや守りのイメージが視覚的に伝わりやすい点が、長く支持されてきた理由の一つと言えそうです。
白馬が宝鉢を運ぶ年画も――「福」を目に見える形に
馬モチーフの年画には、別のバリエーションもあります。たとえば、宝物が入った鉢(宝鉢)を載せた白馬が描かれる作品もあるといいます。躍動する馬のイメージに、暮らしの充実を願う気持ちを重ねた図柄として受け取れます。
専門家が語る「馬×縁起」:伝統の中にある、分かりやすいメッセージ
この馬テーマの年画について、馬志強(Ma Zhiqiang)氏(中国木版年画専門委員会ディレクター)と、石岩卿(Shi Yanqing)氏(中国美術家協会メンバー)が、伝統芸術がどのように縁起の良い願いを「馬」というテーマに織り込んできたかを解説しています。
年画は、難しい言葉よりも、見るだけで気分が切り替わるような分かりやすい象徴で新年の願いを表現する文化です。門神の威厳ある馬、宝鉢を運ぶ白馬――それぞれが、年の変わり目の空気を静かに押し上げてくれます。
年末のいま、年画が「中心に戻ってくる」理由
2026年を目前にしたこの時期、年画のモチーフに改めて目が向くのは、年画が単なる装飾ではなく、節目の感情を整えるための道具でもあるからかもしれません。貼る、眺める、語る――その一連の行為が「新しい年を迎える準備」を形にしていきます。
要点まとめ
- 春節の年画は「古い年を送り、新しい年を迎える」伝統
- 秦瓊・尉遅恭などの門神が、馬にまたがって描かれることがある
- 白馬と宝鉢の図柄など、馬モチーフには縁起の願いが織り込まれる
Reference(s):
Galloping into 2026: Horse-themed New Year pictures take center stage
cgtn.com








