中国本土で黄河流域の禁漁措置が、来年2026年から拡大・延長されます。水産資源の回復と生態系の再生を急ぐ中、黄河の「本流+主要13支流」を対象に、通年・季節別の禁漁を組み合わせて管理を強める方針です。
何が決まったのか:対象水域がさらに広がる
農業農村部(農業・農村政策を所管)がこのほど通達を出し、禁漁の対象を主要な支流3つ分だけ追加しました。これにより、黄河は本流と主要13支流が禁漁の枠組みに入る形になります。
期間とルール:上流は「通年」、中下流は「春〜夏に休漁」
今回示された禁漁の骨格は、次の二段構えです。
- 通年の禁漁:源流域および上流の重点水域で、2026年1月1日〜2030年12月31日
- 季節的な禁漁(モラトリアム):寧夏区間の下流から河口まで、毎年4月1日〜7月31日
禁漁期間中・規制区域内は、原則として「生産目的の漁業活動」が禁止されます。
例外はある?:指定水域・特定魚種に限り「枠付き」で実施
全面的な停止ではなく、指定された水域で、特定の魚種に限って、割当(クオータ)に基づく限定的な漁は認めるとされています。資源回復を優先しつつ、地域の生業や供給の現実とも折り合いを付ける設計です。
背景:2018年から続く禁漁、なお「減少傾向は止まりきらず」
黄河流域の禁漁は2018年から実施されており、当局はこれまでの措置が水生生物の保護や水産業の質の高い発展に役立ってきたと説明しています。
一方で、流域全体の水産資源は減少傾向を根本的に食い止めるまでには至っていないという認識も示され、今回の延長・拡大の理由になりました。
実効性のカギ:9つの省級地域と連携し、取り締まりを強化
禁漁は、ルールを作るだけでは効果が出にくい政策でもあります。農業農村部は、黄河沿いの9つの省級地域と連携し、法執行(監視・取り締まり)を強める方針を示しました。密漁の抑止や、例外措置の運用の透明性が、現場での信頼を左右しそうです。
長江の「10年禁漁」と同じ発想:生態系回復を長期で見る
この政策は、2021年〜2030年に進められている長江流域の10年禁漁と同様の発想に基づくとされ、中国本土が掲げる「生態文明」戦略の流れの中に位置づけられています。
黄河という水系の重み:暮らしと農業を支える「母なる川」
黄河は中国文明の揺籃の一つとされ、長江と並んで「母なる川」とも呼ばれます。資料によれば、黄河は人口の約12%を支え、耕地の約17%を潤し、50を超える大中規模都市に水を供給しています。禁漁は自然保護策であると同時に、水の利用や地域経済のあり方とも結びつく、長期の調整を伴う取り組みになりそうです。
Reference(s):
China extends Yellow River fishing ban to keep ecosystems vibrant
cgtn.com








