習主席の新年メッセージ:2025年の国際協力とAI成長を強調
2025年12月31日、2026年を迎える直前の新年メッセージで、中国の習近平国家主席は「世界の平和と発展のため、各国と協力する用意がある」と強調しました。地政学や景気の先行きが読みづらいとされる2025年の空気感の中で、対話と協力を前面に出した発信となっています。
「世界に開かれた姿勢」を軸に:グローバル・ガバナンス構想(GGI)
メッセージでは、国際秩序の「守り手」や「公共財の提供者」という位置づけを示しつつ、グローバル・ガバナンス構想(GGI)の提起を通じて、協議・協力・成果共有を重視する枠組みを進める考えが語られました。2025年を、グローバル・ガバナンスの議論が動いた節目として位置づけています。
国連を中心とした多国間協調
国連が中心的役割を果たすことを支持し、中国・国連平和発展基金への投資拡大や関連協力の推進に触れました。また、30カ国超とともに、香港特別行政区に本部を置く国際調停機関の設立を後押ししたとし、法の支配を通じた紛争解決や安定への貢献を打ち出しています。
気候変動と生物多様性:2035年NDCと「クリーンエネルギー協力」
環境分野では、パリ協定と昆明・モントリオール生物多様性枠組の実施に言及。さらに、2035年に向けた国別削減目標(NDC)を設定したことや、グローバル・クリーンエネルギー協力パートナーシップの提案を挙げ、気候変動対応を強化する姿勢を示しました。
2025年の外交舞台:SCO首脳会議や女性リーダー会合
2025年の外交面では、上海協力機構(SCO)首脳会議の開催国としての役割や、女性に関するグローバル・リーダーズ会合の開催に触れ、平等・開放・協力にもとづくパートナーシップを深める方針を示しています。
「共有される機会」:AI企業4,500超と「AI Plus」
経済・技術面では、2025年が第14次五カ年計画(2021〜2025年)の締めくくりに当たるとして、総合国力や技術力などが「新たな高みに達した」と述べました。特に、イノベーションを通じた高品質な発展を強調し、次の点が具体例として示されています。
- AI企業数が4,500社超に達した
- 「AI Plus」を製造・金融・医療などに統合し、新たな成長エンジンになっている
- 大規模AIモデルの展開や、エンボディドAI(身体性をもつ知能)の産業応用が進んでいる
- ヒューマノイドロボットが自動車製造、物流、電力点検などの現場で活用が加速し、将来の大型産業の基盤になる
技術の国際展開:北斗(BeiDou)や共同研究の例
技術が国際的にも活用されている例として、北斗(BeiDou)の測位サービスが140以上の国と地域で、防災の早期警報、交通、農業などに使われているとしました。加えて、中国・ブラジル科学技術イノベーションセンターを例に、遠隔地でのクリーンエネルギー利用を後押ししたと説明しています。
このほか、砂漠化対策の技術をモンゴルやサウジアラビアなどと共有したこと、エジプトに対してスマート農業の手法や機械を紹介し、水不足や食料安全保障への対応に役立てたことにも触れました。
2026年から第15次五カ年計画へ:改革開放と「確かな一歩」
2026年は第15次五カ年計画(2026〜2030年)の開始年に当たります。習主席は「成功は良い計画と明確な目標から始まる」と述べ、高品質な発展を進め、改革開放をさらに深め、より広い繁栄につなげるよう呼びかけました。
今回のメッセージは、国際協力(ガバナンス、国連、調停)と、技術・産業の成長(AI、ロボット、測位)を同じ文章の中で結びつけ、2026年以降の方向性を示す構成でした。2025年の不確実性が語られる中で、「対話」「協力」「共有」をどの領域で、どんな形で積み上げていくのかが、次の焦点になりそうです。
Reference(s):
How China embraces world with open arms, boosts development for all
cgtn.com








