中国の2025年映画市場、興収518.32億元で着地 アニメと国産作品が牽引
2026年1月1日、中国国家電影局の発表で、中国の映画市場が2025年に総興行収入518.32億元(約74億ドル)を記録したことが明らかになりました。チケット販売やスクリーン増設も重なり、映画館ビジネスの回復とコンテンツの厚みが同時に見える一年だったと言えそうです。
数字で見る:2025年の中国映画市場(発表ベース)
- 総興行収入:518.32億元(約74億ドル)
- 都市部の映画館チケット販売:12.38億枚
- 国内(国産)映画の興行収入:412.93億元(全体の約8割)
- 興収1億元(1億元)超の作品:51本(うち国産33本)
- 都市部スクリーン純増:2,219(全国合計93,187スクリーン)
国産作品が「約8割」──ヒットの裾野が広がった一年
2025年は、国内(国産)映画が興行収入412.93億元を稼ぎ、全体の約80%を占めました。さらに、興収1億元超が51本、そのうち33本が国産作品とされており、特定の超大作だけではなく、複数の作品が観客を動かした構図がうかがえます。
この「当たりの分散」は、映画館側にとっても上映編成の選択肢が増える一方、制作側にとっては多様な企画が成立しやすくなる土壌にもつながります。2025年の数字は、そうした市場の厚みを示す材料になりそうです。
スクリーン増と“地方での上映”──映画へのアクセスが拡張
インフラ面では、都市部の映画館で2,219スクリーンが新たに増え、全国のスクリーン数は93,187に達しました。供給能力が上がるほど、作品の回転(上映機会)やイベント上映の余地も広がります。
同時に、農村部での公共上映も拡大し、2025年は801万回の上映で約3.94億人が視聴したとされています。「映画館に行く」だけでなく、地域の上映機会を通じて作品に触れる導線が太くなる点は、市場の形を長期的に変えていく可能性があります。
年末年始シーズンは53億元超──“休暇の定番”が再確認
2025年の年末年始(ニューイヤー)映画シーズンも好調で、興行収入は53億元超。中国の祝日期間としては歴代2位の水準だとされています。短期の集中需要が強い時期に結果が出るかどうかは、配給戦略や話題性、家族・友人単位での鑑賞動機づけが噛み合ったかを映す鏡でもあります。
2025年はアニメが“主役級”に──トップ10に4作品
ジャンル面で目を引くのがアニメの存在感です。年間興行の上位10本に、以下の4本が入ったとされています。
- 『哪吒2(Ne Zha 2)』
- 『ズートピア2(Zootopia 2)』
- 『Nobody』
- 『Boonie Bears: Future Reborn』
アニメは年齢層をまたいで動員しやすく、シリーズ化とも相性が良いジャンルです。2025年の結果は、「強い国産作品」という軸に、アニメが市場の熱量を上乗せした一年として記憶されるかもしれません。
海外へ届く中国映画──“国内の強さ”と“外への広がり”
発表では、中国映画が中国本土以外の観客にも届く動きが強まっていることにも触れられています。国内市場の厚みがあるからこそ、作品の多様性や挑戦が生まれ、結果として海外の観客との接点も増えていく──2025年の数字は、その循環の入口を示すものとも読めます。
2026年が始まったばかりのいま、注目点はシンプルです。アニメの勢いは続くのか、国産ヒットの裾野はさらに広がるのか。そして、増え続けるスクリーンと多様化する観客の時間の奪い合いの中で、どんな作品が“次の定番”になるのか。市場の伸びが「量」だけでなく「選択肢の質」をどう変えるのか、静かに見ていきたいところです。
Reference(s):
cgtn.com








