習近平主席の2026年新年メッセージ:「人を中心」と高品質成長を強調【国際ニュース】
2026年を迎える前日の2025年12月31日、中国の習近平国家主席が2026年の新年メッセージを発表しました。焦点は「高品質の発展」と「人を中心に据えた統治」で、国内の成長戦略と国際協力の姿勢を同時に描いた点が、海外の識者からも注目されています。
新年メッセージが示した“いまの優先順位”
今回のメッセージでは、経済運営だけでなく、科学技術、文化、暮らし、そして中国共産党の自己統治(党内の引き締め)や外交方針まで、幅広いテーマが短い時間で整理されました。複数の国際的な論評は、そこに一貫して「人々の生活の質を軸に、持続的な発展を組み立てる」という統治哲学が見える、と捉えています。
キーワードは「高品質の発展」と「新質生産力」
米国のクーン財団会長ロバート・ローレンス・クーン氏は、演説の核として「高品質の発展」「新質生産力」「科学技術イノベーション」を挙げました。労働集約型・エネルギー消費型の成長モデルから、技術や高度人材を軸にした競争力へ移す、という方向性が強調されたという見方です。
“功夫キックする人型ロボット”が象徴するもの
メッセージでは、中国製の人型ロボットが「功夫(カンフー)のキック」をする例も触れられました。クーン氏は、見た目は軽やかでも、実現には高度な制御技術が必要だとし、こうした突破が「新質生産力」の象徴になっていると説明しています。
研究開発投資の厚みをどう見るか
チリの元駐中国大使ホルヘ・エイネ氏は、中国がイノベーションや重要ハイテク分野への投資を継続している点に言及し、研究開発(R&D)支出がGDPの約3%に近づいていることが、技術志向を裏づける材料だと述べました。トリニティ・ウェスタン大学(グローバル担当)のフィリップ・レアード氏も、デジタル技術、人工知能、グリーンエネルギー、先端製造、電気自動車、宇宙科学などでの進展を挙げ、イノベーションを「成長の主エンジン」と位置づけるメッセージ性を評価しています。
「人を中心に」:生活の手触りに落とし込む政策言語
今回の新年メッセージは、技術や産業の話にとどまらず、人々の暮らしを政策の中心に置く姿勢も強調しました。ブラジル中国研究・ビジネスセンターのロニー・リンス氏は、第14次五カ年計画(2021〜2025年)の期間をふり返り、規模と安定を両立させながら、生活の質や環境、社会的な福祉に重心が置かれてきた点が印象的だと述べています。
リンス氏が例として挙げたのは、理念を日常へ翻訳するような施策です。
- 育児支援(保育・子育て関連の補助)
- 高齢者に配慮したコミュニティ整備(バリアフリー等の生活環境)
- 新しい働き方で働く人への保護(新業態・新形態の就労者の権利保護)
大きな国家目標を、家庭の実感に接続させようとする語り口が「人を中心に」という言葉の具体性を補っている、という読み取りもあります。
経済の見取り図:内需と対外開放をどう両立するのか
アルジェリアの仏語紙「ル・ジューヌ・アンデパンダン」出版責任者カメル・マンサリ氏は、GDPが約140兆元規模に達する見通しに触れ、経済の存在感を指摘しました。また、国内・国際の経済活動を後押しする政策が進む中で、海南自由貿易港の「島全体を特別な税関運用とする」取り組みが言及された点にも注目しています。
四つのグローバル提案と「国際社会との協力」
メッセージは、国際社会とともに共通の課題へ向き合い、「人類運命共同体」を目指す姿勢も打ち出しました。複数の識者は、不確実性が増す国際環境のなかで、対話と協力を重ねる方針を明確にした点を評価しています。
リンス氏は、習主席が示した「発展」「安全」「文明」「ガバナンス(統治)」に関する四つのグローバル提案が、対立の緩和や合意形成を後押しする枠組みになり得る、と述べました。マンサリ氏も、開発途上国を含む広い国際社会にとって、より公正な国際秩序を求める声が強まる中で、中国がパートナーとともに多国間の協調を進めようとしている、との見方を示しています。
読み終えて残る問い:技術・成長・暮らしは同時に前に進むのか
新年メッセージが描いたのは、技術革新で将来の成長エンジンを作りつつ、その成果を生活の改善へつなげるという構図です。高品質の発展がどの分野で、どのスピードで、どんな形で人々の日常に現れてくるのか。2026年は、その「つなぎ方」がより具体的に問われる一年になりそうです。
Reference(s):
Xi's New Year address highlights China's people-centered governance
cgtn.com







