香港「啓徳スポーツパーク」運営の要は20回の試運転と“変形”スタジアム video poster
香港で注目を集める大型施設「啓徳スポーツパーク」では、安全に大規模イベントを回すための試運転(トライアル)を重ね、得られたデータで動線や運営を最適化してきたといいます。都市のリズムに合わせて“混雑を制御する”発想が、2026年初頭のいま改めて関心を呼んでいます。
20回のトライアル、延べ約20万人が参加
香港・文化体育観光局(Culture, Sports and Tourism Bureau)でスポーツ担当コミッショナーを務めるGeorge Tsoi氏にとって、啓徳スポーツパークは最重要プロジェクトの一つです。施設の成功に向け、チームは約20回のトライアルを実施し、参加者は累計で約20万人規模に達しました。
そこで集めた「重要な情報」をもとに、交通(人の流れ)や日々のオペレーション(運営手順)を調整。大人数が集まる場面でも、都市全体の動きと“同期”させながら安全に回すことを狙ったとされています。
試運転で主に見たいポイント
- 動線設計:入退場や乗り換え時に人が滞留しないか
- 運営手順:スタッフ配置、案内、誘導の精度
- 安全確保:大規模な群衆を前提にしたリスク低減
一晩でコンサート会場に、数日で競技場へ――メインスタジアムの可変性
Tsoi氏が特に誇りに挙げるのが、メインスタジアムの「適応できる設計」です。スタジアムは一晩でコンサート会場へ転換でき、そこから数日で世界水準のスポーツ施設へ戻せるとされています。
この“切り替えの速さ”は、スポーツと音楽・文化イベントの両立を現実的にし、日程や需要の変動が大きい都市型イベント運営にとって強みになります。結果として、スポーツ・文化・観光という複数のニーズを、同じ場所で効率よく受け止められる構造が見えてきます。
「施設の良さ」より難しい、都市とイベントを同時に回すこと
大規模施設は、建物そのものの性能だけでなく、周辺交通や来場者導線、現場判断の積み重ねで評価が決まります。今回の話からは、事前のトライアルで混雑と運営の“癖”を把握し、都市機能とイベント運営を同時に成立させようとする姿勢が読み取れます。
2026年に入り、各地で大型イベントの開催が続くなか、啓徳スポーツパークが示す「データを集めてから設計を詰める」「用途を切り替えて稼働率を上げる」という考え方は、都市型施設の運営モデルとしても静かに注目されそうです。
Reference(s):
cgtn.com








