ドローン1万機とロボットが共演 中国オペラで「伝統×テック」の夜 video poster
昨年2025年に行われた「2025 China Sci-Tech Innovation Gala」で、中国オペラの世界観をドローンとロボットが立体的に描き出す、ひときわ印象的な舞台が披露されました。伝統芸能の“型”と最先端テクノロジーが同じ舞台上で交差したことが、この夜の主役でした。
夜空に広がった「中国オペラ」のイメージ
演出の目玉となったのは、1万機のドローンが夜空を彩ったパートです。中国オペラを象徴するイメージが光で描かれ、観客が見上げる空そのものが「舞台装置」になる構図がつくられました。
ロボットが舞台へ 歌舞の隣で“動く存在”に
ステージ上では、ロボットがオペラの芸術家たちと並び、演目の一部として動きました。人が担ってきた所作やリズムの隣に、機械の正確さが置かれることで、同じ場面でも見え方が変わる――そんなコントラストが狙いだったようです。
- 空:ドローンによる大規模な光の演出
- 地上:ロボットとオペラ芸術家の同時パフォーマンス
- 狙い:伝統の表現を「更新」ではなく「拡張」する見せ方
1790年へのオマージュ──京劇誕生へつながる節目
この特別演出は、1790年に「安徽四大徽班(Four Anhui Opera Troupes)」が北京に到着した歴史的出来事に敬意を表する意図で構成されたとされています。これは中国オペラ史の節目であり、のちに京劇(Peking Opera)が形づくられていく土台になった出来事として位置づけられています。
「古いものを守る」だけではない、伝統の残し方
伝統芸能はしばしば「保存」か「現代化」かの二択で語られがちですが、今回の舞台はその間にある第三の道――“同じ核を保ちながら、見せる層を増やす”――を提示したようにも見えます。1万機のドローンやロボットは、主役を置き換えるのではなく、観客の視線を別の角度へ導く補助線として機能した、という読み方もできそうです。
イベントの枠組み(分かっている範囲)
このガラは、中国メディアグループ(China Media Group)が、中国本土の安徽省・合肥市と協力して制作したとされています。舞台芸術と科学技術を並走させる趣旨の中で、歴史への目配りを“未来の表現”で包んだ形です。
伝統の物語を、空と舞台の両方に広げてみせた一夜。次に同じ発想が、どんな古典や地域芸能の上で試されるのか――静かに気になるところです。
Reference(s):
When technology meets tradition: A spectacular Chinese opera show
cgtn.com







