中国の研究チーム、自由浮遊天体の「惑星」確認に成功 直接質量測定で土星級
宇宙を“単独でさまよう天体”は、恒星に縛られない分、正体の確定が難しい――。その常識に一歩踏み込む成果が、2026年1月2日(金)に科学誌Scienceで報告されました。中国の研究者が、自由浮遊天体の質量を初めて直接測定し、土星に匹敵する質量の惑星であることを確認したという内容です。
何が起きた?:自由浮遊天体を「惑星」と言い切れた理由
発表したのは、北京大学・物理学院(School of Physics)にある天文学部門(Department of Astronomy)の研究チームです。研究チームは、ある自由浮遊天体について直接的な質量測定に成功し、その結果から土星級の質量を持つ惑星であると確認したとしています。
これまで自由浮遊天体は、観測上の制約から「惑星かもしれない」「低質量の天体かもしれない」といった形で、性質の推定にとどまりやすい領域でした。今回の研究は、“質量”という決定打を得た点が大きなポイントになります。
「直接質量測定」が重要なわけ
天体の“正体”を語るうえで、質量は最も基本的な指標の一つです。特に自由浮遊天体のように、恒星の周りを公転していない対象は、通常の惑星探しで使われる手法(恒星の揺れや減光など)を適用しにくく、分類が難しくなります。
そのため、質量が直接測れることには次のような意味があります。
- 「惑星」と呼べる根拠が明確になる(推定ではなく測定に基づく)
- 同種の天体の比較がしやすくなる(“どのくらいの重さの自由浮遊天体が多いか”など)
- 形成過程の議論が、より具体的な数値を中心に進めやすくなる
自由浮遊惑星は、どこから来たのか
今回の発表は「土星級の質量の惑星が、恒星に属さずに存在している」ことを示した形です。自由浮遊惑星がどう生まれるのかについては、一般にいくつかのシナリオが議論されます。
- もともと恒星の周りで形成された惑星が、重力相互作用などで系外へ弾き出された
- 恒星になりきれない低質量天体として、単独で形成された
今回のように質量がはっきりしてくると、今後は「どのタイプの自由浮遊天体が多いのか」「どの形成経路が起きやすいのか」といった議論が、より検証可能になっていきそうです。
今後の注目点:同じ手法で“次”が見つかるか
この研究は、自由浮遊天体に対して直接質量測定で惑星性を確認したという点で、観測研究の地平を少し広げました。次の焦点は、同様の測定がほかの対象でも積み重なり、自由浮遊惑星の“母集団”が見えてくるかどうかです。
「恒星のそば」だけでなく、「恒星から離れた場所」にも惑星がいる――その分布が見えてくると、惑星のつくられ方や宇宙の多様性を、もう一段具体的に捉え直すきっかけになりそうです。
Reference(s):
Chinese scientists confirm planet identity for free-floating object
cgtn.com








