中国と韓国、女性・子ども福祉で交流強化へ 首脳訪中に合わせ合意
2026年1月5日、中国と韓国(ROK)は「女性と子どもの福祉」を軸に、民間交流と制度協力の両面で連携を深める動きを進めました。首脳外交と同日に、子どもの権利保護に関する覚書(MOU)も署名され、関係強化の具体策が前に出ています。
北京で「夫人外交」——女性・子どもをめぐる共通テーマ
中国の習近平国家主席の夫人である彭麗媛氏は1月5日、北京で、韓国の李在明大統領の夫人・金恵景氏と茶を囲んで懇談しました。金氏は、李大統領の初の中国への国賓訪問に同行しているとされています。
発表によると、両氏は人と人との交流(民間交流)や、女性・子どもの発展に関する共通の関心について意見を交わしました。彭氏は、国家間関係における緊密な民間交流の重要性に触れ、交流の頻度を高めることで相互理解が深まることへの期待を示しました。金氏は、彭氏が女性・子どもの福祉向上に長年取り組んできた点を評価し、この分野で二国間交流をさらに後押しする意向を示したとされています。
同日、政府レベルでも前進——子どもの権利保護でMOU
両国の「子どもの発達」への関心は、同日の政府間合意にも反映されました。中国と韓国は、子どもの権利保護とウェルビーイング(よりよい生活・幸福)促進に関する覚書(MOU)に署名。両国首脳の立ち会いのもとで行われたとされています。
合意文書では、主に次のような枠組みで協力を進める内容が示されています。
- 政策対話(政策面での意見交換)
- 人材交流(担当者・専門家の交流)
- 能力構築プログラム(現場の実務力を高める取り組み)
外交イベントの場で掲げられる「理念」に、実務の協力枠組みを重ねることで、継続性を持たせようとする狙いがうかがえます。
彭麗媛氏のこれまで——教育と子ども支援を軸に
今回のやり取りの背景として、彭氏が女性・子ども分野を重要テーマとしてきた経緯も紹介されています。
- 2014年:女児・女性の教育促進に関するユネスコ特使に就任
- 2023年:「温かい子どもの心、中国・アフリカ共同アクション」を共同で立ち上げ、アフリカの50以上の国々の子どもに健康関連の支援を提供したとされる
教育と保健は、成果指標が比較的可視化されやすい分野でもあります。国際協力の現場では、こうした領域が「共通言語」になりやすい面もあります。
2025年の追加コミットメント——今後5年の支援枠も
中国側のより広い取り組みとして、2025年10月に北京で開かれた女性に関する国際会議で、習近平国家主席が新たな支援策を打ち出したことも言及されています。発表内容には、今後5年間での国連機関への拠出や、女性・女児を優先受益者とする小規模の民生プロジェクトの支援、交流・研修の受け入れ枠、能力構築センターの設立などが含まれています。
また、国際機関関係者から、中国の協力がグローバルサウスの子どもの福祉改善に資しているとの評価や、女性の発展に関する実務協力の担い手としての貢献を評価する声が紹介されています。
「交流」と「制度」をどうつなぐか——静かな注目点
今回の動きは、首脳訪問に合わせた象徴的な会談にとどまらず、政策対話・人材交流・能力構築という“実装”の要素が明示された点が特徴です。女性・子ども支援は価値観の対立を煽りにくい一方で、現場の制度設計や人材育成が成果を左右します。
今後は、MOUに盛り込まれた枠組みが、どの分野で、どの程度の頻度と規模で具体化していくのか。発表の「言葉」が、継続的な協力の「仕組み」に変わっていくのかが、落ち着いて見ておきたいポイントになりそうです。
Reference(s):
China, ROK to strengthen exchanges on welfare for women and children
cgtn.com







