冬のだるさは「湿」?中医学が見る食とエネルギーの関係
この冬、「食後にお腹が重い」「疲れが抜けない」「頭がぼんやりする」といった感覚が続くなら、中医学(TCM)が重視する概念「湿(dampness)」がヒントになるかもしれません。
冬に体が“鈍る”と感じやすい背景
冬は、体の動きも生活のリズムもゆっくりになりがちです。食事は自然とボリュームが増え、外出や運動は減り、寒さも重なります。その結果、膨満感、疲労感、思考の鈍さ(いわゆるメンタルの霧)を感じる人が出てきます。
中医学の「湿」とは:天気の湿気だけではない
「湿」と聞くと、雨や湿度を思い浮かべがちです。ただ中医学では、湿は体内のバランスを乱しやすい状態を説明するための重要な考え方として扱われます。
ポイントは、湿を“たまってから解くのが難しいもの”として捉えることです。だからこそ、日々の食べ方・選び方が注目されます。
カロリーよりも「消化・巡り・内側のバランス」を見る
中医学の食の考え方は、カロリーや栄養素(マクロ)や流行の“スーパーフード”を中心に組み立てる発想とは異なります。重視するのは、食べ物が消化、エネルギーの流れ、体内のバランスにどう影響するか、という視点です。
「健康的に食べているつもり」でも、評価の基準が違えば、体感も変わり得る——そんな問題提起がここにあります。
キーワードは「消化の火」:食べたものを“使える力”に変える
中医学の食養生(食事によるケア)の土台には、消化器系が食べ物を“使えるエネルギー”に変換できているかという考え方があります。
理想は、消化がスムーズで「消化していることを意識しない」状態。逆に、食べ物が十分に処理されないと、体内に“残り”が生じ、内側のバランスを乱し、湿につながる——と説明されます。
食事は「何を食べるか」だけでなく「いつ・どう食べるか」
中医学的な食の発想が興味深いのは、食材の善悪を単純に決めるというより、日々の食事をバランスを支える行為にも、静かに崩す行為にもなり得るものとして捉える点です。
そのため、冬の不調を語るときも、「特定の食材リスト」だけではなく、食後の体感や季節による活動量の変化といった“文脈”込みで考えます。
一律の正解はない:体質・症状に合わせる発想
中医学の食事療法は、万人向けの処方箋ではありません。体質、症状、そして背景にある乱れ方(パターン)を見ながら、組み立てるものだとされています。一方で、「消化がうまく回っているか」を出発点にするという土台は、多くのケースで共有される考え方です。
今日からの“観察”チェック(中医学の視点を借りる)
- 食後に膨満感や眠気、頭のぼんやりが出るかを記録する
- 冬は活動量が落ちやすいことを前提に、食べ方が体感に与える影響を見直す
- 「健康そう」に見える食事でも、自分の消化が追いついているかに目を向ける
※本記事は中医学の考え方をもとに、冬の体調と食の見方を整理した一般情報です。体調不良が続く場合は、医療専門家への相談も選択肢になります。
Reference(s):
Winter, food and 'dampness': A TCM guide to staying energized
cgtn.com








