中国本土で世界初20MW洋上風車を設置、福建沖で新記録
中国本土で世界初となる「20メガワット(MW)」級の洋上風力発電タービンがこのほど設置されました。1基で約4万4,000世帯分の電力をまかなえる規模とされ、洋上風力の大型化が次の段階に入ったことを印象づけています。
世界初「20MW」洋上風車、どこで誰が設置した?
設置を手がけたのは、世界有数のエネルギー企業の一つである中国三峡(China Three Gorges Co.)です。タービンは、中国本土・福建省の南東沖合の海域に設置されました。
20MWは出力の大きさを示す数字で、今回のタービンは「世界初の20MW洋上風車」と位置づけられています。
海の上での“巨大建設”――難所は沖合30kmと季節風
プロジェクトは規模が大きい分、設置作業も簡単ではありませんでした。設置地点は海岸から30km以上離れており、現場では深い水深、予測が難しいモンスーン(季節風)の時期、そして高所作業のリスクが重なります。
陸上の工事と違い、海上は天候や波浪で作業可能時間が限られます。大型化した風車ほど「短時間で確実に据え付ける」工程設計が重要になります。
2,000トン吊り上げ船と精密な位置決め――“取り付け”が技術の核心に
厳しい条件を乗り越えるため、作業チームは次世代型の大型据付船(最大2,000トンを吊り上げ可能)を投入。さらに高度な位置決めシステムを用い、巨大ブレード(羽根)3枚を中核部に正確に接続しました。
- ブレードは1枚あたり全長約150m
- 吊り上げて取り付ける高さは174m
「大きいものを作る」だけでなく、「海上で、狙った位置に、狙った角度で接続する」こと自体が海洋工学の見せ場になっていることがうかがえます。
なぜ“1基を巨大化”するのか:洋上風力のいま(2026年1月時点)
洋上風力では近年、タービンの大型化が続いています。大型化は、同じ発電量を得るために必要な基数を減らせる可能性があり、海上の施工・保守の考え方にも影響します。一方で、ブレードや機器の巨大化は、輸送・据付・点検の難度を押し上げます。
今回の20MW級の設置は、「発電設備」と「海洋作業(船・機材・制御)」が一体で進化していることを示す出来事とも言えそうです。
次に注目したいポイント
- 大型タービンの運用・保守をどう効率化するか
- モンスーンなど気象条件の厳しい海域で、工期と安全をどう両立するか
- 電力系統への接続や出力変動への対応がどう設計されるか
洋上風力は「設置できた瞬間」がゴールではなく、長期運用で性能を出し続けられるかが本番です。今回の新記録が、次の標準をどう塗り替えていくのか注目されます。
Reference(s):
New record: China installs world's first 20MW offshore wind turbine
cgtn.com








