中国共産党CCDI第5回総会、15次五カ年へ反腐敗と政治監督を強化
2026年1月12日(月)〜14日(水)に北京で開かれた中国共産党(CPC)の中央規律検査委員会(CCDI)第20期第5回全体会議は、15次五カ年計画期(2026〜2030年)に向け、全面的で厳格な党内統治を進める優先事項を整理し、反腐敗の取り組みをいっそう強める方針を示しました。
今回の会議で示された「5つの重点」
公表されたコミュニケ(声明文)からは、次の5点が軸として浮かびます。
- 全面的で厳格な党内統治の深化
- 反腐敗の姿勢を揺るがせず、摘発と抑止を継続
- 政治監督(政治的な規律の順守状況の点検)の強化
- 権力行使を制度の枠に収める(「制度の檻」)
- 民生に直結する不正・腐敗への重点対応
1) 2026年は「15次五カ年の初年」かつ「党創立105周年」
コミュニケは、2026年が15次五カ年計画の初年であり、中国共産党創立105周年にも当たる点を明確にしました。節目の年にあたり、党内統治の基準や要求も「新たな段階に入る」という位置づけです。
そのうえで、腐敗が生まれ、広がる「土壌や条件」を断つため、より強く、より実効的な手段を講じ、計画期の目標達成を支えるとしています。
2) 反腐敗は「高圧姿勢を維持」:受け取る側・渡す側の双方に焦点
反腐敗については、「不動の姿勢」を強調。高い圧力での取締りを続け、違反行為を容認しない方針が示されました。
特徴的なのは、次の点が明記されたことです。
- 収賄(受け取る側)だけでなく、贈賄(渡す側)も併せて調べる
- 新しい形・隠れた形の腐敗に注意を向ける
- 重点分野での腐敗対策を強化し、官僚と企業関係者の癒着は厳格に調査・処罰する
個別案件の処理にとどまらず、仕組みとして腐敗の「発生条件」を減らす、という設計思想が読み取れます。
3) 政治監督の強化:戦略課題の「実行状況」を追う
会議は、目標達成のために政治監督を強める必要性を掲げました。政治規律のより厳格な運用や、幹部の交代・任用に関わる規律の徹底、そして「二枚舌」や政治的な不一致への対応が盛り込まれています。
政治監督が追跡する対象として、コミュニケは主要な戦略課題を列挙しました。例えば、次のようなテーマです。
- 質の高い発展(高品質発展)
- 現代的産業システムの構築
- 地域の実情に応じた「新質生産力」の発展
- 統一された全国市場の整備
- 高水準の対外開放の拡大
- 共同富裕の推進、貧困の再発防止
- 地方政府債務リスクへの対応
- 生態環境の保護、発展と安全の調整
また、巡視(査察)についても、抑止力を高めるための政治的な点検を強化するとしています。
4) 「権力を制度の檻に」:ルールに沿った権限行使を徹底
コミュニケは、権力行使を制度で縛る必要性を「制度の檻」という表現で示しました。15次五カ年計画の目標が掲げる水準が高くなるほど、権限行使の適正化(規則・手続きに沿うこと)への要求も高まる、という整理です。
規律検査・監察機関には、ルールに基づく統治を強め、権力を管理する制度を整え、権限が規定通りに運用されるよう監督する役割が課されています。
5) 「暮らしに直結する腐敗」へ:基層(末端)分野を重点に
今回のコミュニケでは、人々の生活に直接影響する不正・腐敗を、引き続き重点的に是正する方針も打ち出されました。特に基層(現場・末端)での問題が強調されています。
対象として挙げられたのは、例えば次の分野です。
- 農村の集団資産・資金・資源の管理
- 医療保険基金の監督
- 高齢者ケア(養老)サービスの規範化
- 高標準農地建設をめぐる問題
- 地域の実情に応じた民生プロジェクトの監督強化
さらに、不適切な法執行への対応も明記されました。具体的には、越境的な取り締まりの乱用や、利益を目的とする取り締まりなどを念頭に、正当な権利・利益を守り、公正さと廉潔性(清廉さ)を維持する姿勢が示されています。
成果を一過性にしないため、問題対応の常態化メカニズムを整えること、基層統治の主戦場としての「県」を重視すること、住民による監督参加を促し、一次レベルの監督能力を高めることも盛り込まれました。
これからの見どころ:厳格化は「どの分野」「どの仕組み」で進むか
今回の会議は、15次五カ年計画期のスタートに合わせて、反腐敗と監督の強化を「重点分野」「制度設計」「基層の実務」に落とし込む意図が読み取れます。今後は、列挙された重点領域で、どのような運用ルールや長期メカニズムが具体化していくのかが注目点になりそうです。
Reference(s):
Key takeaways from the fifth plenary session of the 20th CPC CCDI
cgtn.com








