習近平氏、厳格な党内統治を再強調 15次五カ年計画へ規律と監督を強化
中国本土で2026年から始まる「第15次五カ年計画(2026〜2030年)」を前に、習近平氏が「全面的かつ厳格な党内統治」をより高い基準で進めるよう求めました。政策目標を“紙の上”から“現場の成果”へつなげるため、規律と監督を一段と具体化する構えです。
何があった?—20期中央規律検査委の会議での発言
習近平氏(中国共産党中央委員会総書記)は月曜日、北京で開かれた第20期中国共産党中央規律検査委員会(CCDI)の第5回全体会議で演説しました。発言の中心は、党の重大な決定を確実に実行し、規律を通じて統治の実効性を高めることでした。
「重大決定を実行に」—監督を“狙い撃ち”し、常態化する
習氏は、党中央の重大な決定や計画を実行することが、党の権威と集中統一的指導を保つうえでの基本要件だと位置づけました。そのうえで、「より的確で精密、かつ常態的な監督・検査」を求めています。
国家行政学院(National Academy of Governance)の郝東氏は、2026年が第15次五カ年計画期の「重要なスタート地点」だと述べ、決定を具体的成果に変えるには強い規律の支えが不可欠だと指摘しました。
また、北京科技大学の宋偉氏は、監督の高度化には手法の刷新も伴うといいます。例として、末端(基層)でのビッグデータやAI(人工知能)の活用に触れ、農村の集団資産の管理や貧困対策資金の配分などで透明性が高まっている点を「精密で効果的な監督」の試みとして挙げました。
権力を「制度の檻」に—八項規定と“公開通報”の積み重ね
習氏は、権力を「制度の檻」に閉じ込めることが、厳格な党内統治の重要任務だとも強調しました。ここで鍵として語られたのが、2012年(第18回党大会後)に導入された「八項規定」です。これは、規律の明確化と厳格な拘束を通じ、党風・政風の改善を狙う取り組みとして説明されています。
2026年初めには、CCDIと国家監察委員会が八項規定違反に関する典型7件を名指しで公表し、問題の可視化と抑止効果を狙ったとされています。中秋節、国慶節、元旦、春節など、大型連休や節目の時期に合わせた典型事例の公表が“定例化”している点も、継続的な引き締めの一部として紹介されました。
さらに宋氏は、2025年5月に党中央が党・政府機関における倹約と浪費反対を促す規定を出したことに触れ、「制度を作るだけでなく、運用を監督し、違反は厳正に正す」ことの重要性を強調しています。
反腐敗は「決して負けられない闘い」—三つの柱で進める考え
反腐敗について習氏は、党が「負けるわけにはいかず、決して負けてはならない」重大な闘いだと改めて位置づけました。2025年に開かれた第20期CCDI第4回全体会議でも、反腐敗闘争は依然として「深刻で複雑」だとし、腐敗の“温床”と“条件”の除去が難題だと述べた経緯があります。
中国政法大学の曹鎏氏は、腐敗対策を三つの方向から統合して進める枠組みを説明しました。
- 「腐敗できない」:制度・仕組みによる制約を強める
- 「腐敗しようと思わない」:清廉な政治文化や道徳意識を育てる
- 「腐敗する勇気が出ない」:抑止力(強い牽制)を働かせる
この三つを同時に効かせることが、近年の取り組みの特徴だとされています。
2026年の意味—計画期の出発点で「統治の実効性」をどう作るか
第15次五カ年計画の始動年にあたる2026年は、成長・雇用・社会政策などの目標をどう現場で実装するかが注目されるタイミングです。今回の会議で語られた「より精密な監督」「制度の檻」「反腐敗の継続」は、政策遂行の確度を上げるための“統治インフラ”として位置づけられているようにも見えます。
規律の強化は、ときに硬い言葉で語られがちです。ただ、その運用が「透明性」「説明可能性」「現場の納得」とどう結びつくのか——2026年の中国本土の統治を読み解くうえで、静かに見守りたい論点です。
Reference(s):
Understanding CPC's push to advance rigorous Party self-governance
cgtn.com








