中国外務省、南極救助を例に極地協力強化へ 42次南極遠征が進行中
中国外務省は2026年1月15日の定例記者会見で、南極・北極といった極地をめぐる国際協力をいっそう強化する考えを示しました。南極での救助や、寄港地での研究者支援といった「現場の協力」が注目される中、極地の平和・安定と持続可能な発展は人類共通の利益だと強調しています。
会見で何が語られたのか
会見で中国外務省報道官の毛寧氏は、中国が「関係各方面と交流を深め、極地分野の協力を促進していく用意がある」と述べました。背景として挙げられたのが、現在進行中の「第42次南極遠征」をめぐる複数のエピソードです。
南極での救助と、寄港地での支援
報道によると、中国の遠征隊は以下の対応を行ったとされています。
- ロシアの研究ステーションで体調を崩した職員の救助に成功
- 今週、ニュージーランドで補給を行う際に、中国の砕氷船「雪龍(Xuelong)」が大韓民国の研究者の輸送を支援
極地では天候や海氷の状況が急変しやすく、医療・輸送・通信などが限られます。こうした環境下では、国籍や組織の違いを越えた相互支援が、研究活動そのものの前提になることがあります。
「40年の南極観測」と国際共同研究
毛氏は、中国が南極観測を始めてから約40年にわたり、相互扶助の精神を重視し、国際協力に力を入れてきたと説明しました。具体的には、さまざまな形の共同研究活動に参加してきたとしています。
また、今回の南極遠征には、タイ、チリ、ポルトガルなど10以上の国・地域の研究者が参加しているとも述べました。南極観測は、気候変動の把握や生態系の長期モニタリングなど、単独の国だけでは継続が難しいテーマが多く、共同の枠組みが研究の質を左右します。
北極でも「対話と協力の場」づくりを強調
南極と並び、北極をめぐる発言もありました。毛氏は、中国が北極評議会に参加してきたことに加え、「中国・北欧 北極協力シンポジウム」の開催や、北極海での科学調査を通じて、対話と協力のプラットフォームを提供し、研究成果を国際社会と共有してきたと説明しています。
“救助のニュース”が示す、極地協力のリアル
今回の発言が関心を集めるのは、政策の言葉だけでなく、遠征現場での救助や輸送支援といった具体例がセットで語られたためです。極地は、科学(観測・調査)と安全(救助・補給)が切り分けにくい場所でもあります。
「研究のための協力」が「危機対応の協力」に自然につながり、そこで築かれた信頼が次の共同研究を後押しする——。極地の協力は、そうした循環で成り立つ面があります。今後、各国・各地域がどのように役割を分担し、成果やデータを共有していくのかも、静かに注目されそうです。
Reference(s):
cgtn.com








