中国本土・福建省沖で世界初20MW洋上風車が完成、1基で“町”は賄える? video poster
2026年1月13日、中国本土の福建省沖で「世界初の20メガワット(MW)級」洋上風力タービンの組み立てが完了しました。1基でどれほどの電力を生み、私たちの暮らしのスケールに置き換えると何が見えてくるのか——。数字から静かに読み解きます。
何が起きた?:20MW級、世界初の組み立て完了
発表された情報によると、福建省沖の海域で20MW洋上風力タービンの組み立てが成功し、再生可能エネルギー分野の新たな節目になったとされています。洋上風力は、風況(風の強さや安定性)を生かして大きな発電量を狙える一方、設備の巨大化と海上施工の難しさが常にセットで語られてきました。
サイズ感がすごい:高さ174m、ブレードは147m
今回のタービンは高さ174メートル。ブレード(羽根)は3枚で、1枚あたり147メートルとされています。設置後、ローター直径は300メートル級となり、回転面積はサッカー場約10面分に相当する規模です。
- 出力:20MW(最大瞬間の発電能力)
- 高さ:174m
- ブレード:147m ×3
- ローター:直径300m級、掃引面積はサッカー場約10面分
結論:1基で「約4.4万世帯分」—ただし“出力”と“発電量”は別
年間発電量は8,000万キロワット時(kWh)超が見込まれ、約4万4,000世帯の電力を賄える規模だとされています。問いに戻ると、「1基で町を動かせるのか?」への答えは、“はい、規模によっては”です。
ここでポイントは、MW(出力)とkWh(発電量)の違いです。
- MW(メガワット):その瞬間に出せる力(発電の“馬力”)
- kWh(キロワット時):一定期間に実際に作った電気の量(家計の“使用量”)
風は常に一定ではないため、20MWという「最大出力」が24時間365日続くわけではありません。それでも、年間8,000万kWhという実績見込みが示されたことで、1基でも“生活圏のサイズ”に届くイメージが一段クリアになります。
石炭2.4万トン分の置き換え、CO2は年6.4万トン削減見込み
同じく示された見込みでは、年間発電により石炭約2万4,000トンの使用を置き換え、二酸化炭素(CO2)約6万4,000トンの排出削減につながるとされています。発電の話はつい「何MWか」に注目が集まりがちですが、社会実装の文脈では、こうした“置き換え量”が議論の芯になります。
「完全に国内開発」「超軽量設計」が意味するもの
今回の機体は、完全に国内で開発されたこと、さらに超軽量設計であることが強調されています。大型化が進むほど、材料・輸送・施工・保守の負担が増えます。軽量化は、同じ発電規模でも部材や施工の効率に跳ね返り、結果としてコスト低減や導入スピードに影響します。
大型化が進むほど、次に問われるのは「電気の出口」
一方で、巨大タービンが増えるほど、論点は発電そのものから「どう届け、どう維持するか」へ移っていきます。例えば、次のようなテーマです。
- 送電網(グリッド):海から陸へ、さらに需要地へ運ぶ設計
- 設備保守:海上での点検・修理体制、部品供給
- 気象リスク:強風・高波時の運用、停止判断
- 地域との調整:航路や漁業など海域利用との両立
“1基で町の電気”という分かりやすさの裏で、エネルギー転換の本番は、こうした地味で複合的な設計と運用にあります。
2026年に入り、洋上風力は「より大きく、より現実の電力に近い」技術として存在感を強めています。数字が大きいニュースほど、暮らしのスケールに翻訳して眺めると、次の論点が見えやすくなるのかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








