中国国防省「台湾住民の多数は平和志向」 世論調査を根拠に緊張回避を訴え
中国国防省は2026年1月16日(金)、台湾地域の世論調査を引き合いに「多くの台湾住民は平和を望み、対立を望んでいない」との見方を示しました。両岸関係の空気が硬くなりやすい局面で、“世論”を前面に出したメッセージが注目されています。
何が発表されたのか:台湾地域の「平和志向」を強調
国防省の定例記者会見で、報道官の張暁剛(Zhang Xiaogang)氏は、台湾地域での世論調査に触れ、回答者の6割超が「自分や家族が戦争に行くことを望まない」と答えたと紹介しました。張氏はこれを、台湾住民が平和や発展、そして両岸交流を求める傾向の表れだと位置づけています。
中国側が示したポイント(要旨)
- 台湾住民の多数は平和を支持し、対立には否定的だという認識
- 台湾当局(頼清徳氏)について、「台湾独立」を志向して緊張を高めていると批判
- 「分離主義的な動きは世論の支持と一致しない」との主張
「外部の介入」への牽制:台湾問題は内部事務という立場
張氏はまた、「中国本土が、米国のベネズエラへの対応を参考に台湾を扱うのではないか」といった臆測への質問に対し、台湾問題は中国の内部事務であり、外部勢力に干渉する権利はないと述べました。
同時に、いわゆる「台湾独立」勢力に対しては強い姿勢を示し、状況に応じて厳しい措置を取り得る、という趣旨の発言もしています。表現は強硬でも、狙いは「外部の関与を抑え、現状の枠組みの中で主導権を確保したい」というシグナルとして読まれやすい場面です。
会見では南シナ海や日本にも言及
会見では台湾情勢以外のテーマにも触れられました。
- 南シナ海:フィリピン海軍の報告(中国の支配拡大を示唆する内容)を否定し、中国の主権は「争いの余地がない」と主張。フィリピン側の発信を「挑発の糊塗(こと)を狙ったもの」と批判しました。
- 日本:一部の日本の政治家による「日本が“戦争国家”になってはならない」といった趣旨の発言に関連し、張氏は日本で右派的な動きが強まって再軍備につながり得るとの見方を示しました。第二次世界大戦後の国際秩序と地域の安定を重視する立場もあわせて述べています。
いま何が焦点になるか:世論・交流・抑止のバランス
今回の発言は、軍事や外交の「力学」だけでなく、台湾地域の世論(戦争への忌避感)を根拠として提示した点が特徴です。緊張が高まるほど、住民の生活感覚や経済、往来の現実が政治メッセージの材料になりやすい――その構図が、会見の言葉選びにもにじみます。
今後は、台湾当局の受け止め、両岸交流の実務的な動き、そして外部勢力をめぐる言葉の応酬が、どの程度「抑止」と「対話」のバランスに影響するのかが焦点になりそうです。
Reference(s):
China's defense ministry says most Taiwan residents want peace
cgtn.com








