中国、NEV使用済み電池をデジタルIDで追跡へ 4月1日施行の暫定措置
中国が、新エネルギー車(NEV)の使用済み駆動用電池の「回収・再資源化」を、デジタルIDと全国プラットフォームで一気通貫に管理する暫定措置を打ち出しました。電池の大量退役期に入りつつある中、流通の見える化を急ぎます。
何が発表された?(2026年1月16日)
中国工業情報化部(MIIT)と関係5部門は本日(2026年1月16日)、NEVの使用済み駆動用電池について、回収および総合利用(再資源化や再利用など)の管理を強化する暫定措置を共同で公表しました。施行は2026年4月1日です。
柱となるのは、電池1本ごとの「デジタルID」付与と、追跡管理を支える全国のトレーサビリティ(追跡可能性)情報プラットフォームの整備です。
背景:NEV急拡大で「退役電池」が増える
MIITによると、中国のNEV産業は急速に拡大しています。2025年のNEV生産・販売はともに1600万台を超え、国内の新車販売の過半を占めました。
一方で、初期に普及したNEVの電池が、容量劣化などで耐用年数を迎え始め、使用済み電池の発生量が大きく増加しているといいます。業界専門家からは、中国が大規模な電池退役フェーズに入り、2030年までに使用済み電池の発生量が100万トンを超えるとの見通しも示されています。
「フルチャネル・フルチェーン・フルライフサイクル」管理とは
MIITは今回の枠組みを「全ルート(フルチャネル)・全工程(フルチェーン)・全期間(フルライフサイクル)」の管理と説明しています。ポイントを噛み砕くと、次のような方向性です。
- デジタルIDで個体管理:電池を“ひとまとめ”ではなく、1本単位で追跡できる設計にする
- 全国プラットフォームで情報を連結:回収から再資源化・再利用までの流れをデータでつなぐ
- 違法投棄などの抑止:正規ルートを明確にし、逸脱を見つけやすくする
規制強化は「取り締まり」だけではない
中国は2025年6月から、固形廃棄物の不法投棄・不適正処分を対象にした3年の特別キャンペーンを開始しており、使用済み駆動用電池も対象に含まれています。今回の暫定措置は、その流れを制度面で具体化し、運用可能な仕組みに落とし込む動きとも読めます。
電池は資源価値が高い一方で、回収・保管・解体・再資源化の各段階で安全管理も問われます。デジタルIDとトレーサビリティは、環境面だけでなく、サプライチェーンの透明性や品質管理の基盤にもなり得ます。
これから注目したい点(4月1日までに何が動く?)
施行日まで約2カ月半(本日基準)あります。運用が実効性を持つかどうかは、次の論点が鍵になりそうです。
- デジタルIDの付与・読み取りが現場で回るか(回収拠点・物流・再資源化の連携)
- 正規ルートの利便性(利用者や事業者が「使いやすい」回収網になるか)
- 再利用(セカンドライフ)と再資源化の住み分け(用途ごとの基準や品質管理)
NEVの普及が進むほど、電池の「出口戦略」は産業の信頼を左右します。データ基盤を伴う管理強化が、回収の実態や市場の秩序にどんな変化をもたらすのか、春以降の運用が注目されます。
Reference(s):
China to strengthen recycling management of used NEV power batteries
cgtn.com








