誤解の時代に「対話」を編み直す――復旦大のブノワ・ヴェルマンド氏が語る video poster
国際社会で対立や誤解が目立つ今(2026年1月)、必要性が改めて語られているのが「対話」です。中国本土の復旦大学で哲学を教えるフランス人中国学者ブノワ・ヴェルマンド氏は、対話とは語学力の競争ではなく、相手への注意深さと敬意に根ざすものだと強調しました。
なぜ今「対話」が話題になるのか
ニュースの現場では、国や社会の分断を示す言葉が増えがちです。その一方で、誤解が広がるほど「話すこと」そのものが難しくなります。ヴェルマンド氏は、こうした状況でこそ対話が欠かせないと述べ、信頼の回路を“作り直す”必要性を示しました。
約50年前のパリの博物館が出発点
ヴェルマンド氏が中国文化に強く惹かれるきっかけになったのは、約50年前にパリで訪れた博物館だったといいます。そこから古典中国語、文化人類学、哲学へと学びを広げ、分野を横断する研究の道を形作っていきました。
対話は「上手に話す」より「よく聴く」
氏が強調するのは、対話は単なる言語の運用能力を超える、という点です。大切なのは、相手の言葉の背後にある経験や前提に注意を向け、急いで結論を出さず、敬意をもって受け止める姿勢だとしています。
- 言語:相互理解の入口にすぎない
- 注意深さ:相手の文脈を想像する力
- 敬意:違いを「誤り」と決めつけない態度
「本当の友情・理解には時間がかかる」
ヴェルマンド氏は「本当の友情、本当の理解には時間がかかる」と述べました。わかりやすい成果を急ぐほど、対話は“交換”になり、相手を理解する営みから離れてしまう——そんな含意がにじみます。
誤解が戻る世界で、対話を“何度でも”
グローバルな文脈では、誤解は一度解けたように見えても、状況の変化で再び生まれます。ヴェルマンド氏は、だからこそ対話は一度きりの合意ではなく、忍耐をもって「何度でも再構築する」プロセスだと指摘しました。違いを消すのではなく、違いがあるまま共存するための手入れ——対話をそのように捉える視点は、緊張が高まりやすい時代に静かな現実味を持ちます。
Reference(s):
Benoît Vermander: Dialogue is crucial in times of misunderstanding
cgtn.com








