ダボス会議2026、今夜開幕へ――「対話の精神」で不確実性の時代を読む
スイスの山岳都市ダボスで開かれる世界経済フォーラム(WEF)年次総会(通称ダボス会議)が、2026年1月19日(月)夜に開幕します。経済・地政学の不透明感が強まるなか、参加者からは「建設的な対話」を求める声が上がっています。
「世界は良くなりつつある」でも、不確実性は高いまま
WEFは会議に先立ち、国際環境が「競争が激しく、分断が進む」方向にあるとして、世界経済への下押し圧力やリスクの高まりを示す報告書を公表しました。
最新の「Chief Economists’ Outlook(チーフ・エコノミスト見通し)」によれば、世界経済の見通しはわずかに改善した一方で、不確実性は高止まりしているといいます。背景として、次のような要因が挙げられています。
- 資産評価(バリュエーション)の変化
- 債務水準の上昇
- 地経学的な再編(サプライチェーンや貿易・投資の組み替え)
- 人工知能(AI)の急速な展開
テーマは「A Spirit of Dialogue(対話の精神)」—5日間で何を議論する?
今回の年次総会は、テーマを「A Spirit of Dialogue(対話の精神)」に掲げ、世界各地から約3,000人のリーダーや専門家が参加します。WEFによると、議論は5つの主要課題を軸に進み、たとえば以下の論点が焦点になります。
- 国際協力の強化
- 新たな成長源の開拓
- イノベーションを「責任ある形」で大規模に実装すること
「対話はぜいたく品ではなく必需品」—戦争拡大リスクが成長を左右
WEFのボルゲ・ブレンデ会長兼CEOは、新華社のインタビューで、現在の状況における対話の重要性を強調しました。
「世界経済フォーラムの見方では、対話はぜいたく品ではない。必需品だ」
ブレンデ氏は、特に戦争の大規模なエスカレーション(拡大)を懸念し、「それは世界の成長を殺しかねない」と述べています。一方で、拡大が回避できれば、2026年の世界経済成長率が3%を上回る可能性にも言及しました。
中国本土に集まる視線:副首相が出席、きょう発表のGDPも話題に
今回のフォーラムでは、世界第2位の経済規模を持つ中国本土にも注目が集まる見通しです。中国の何立峰(He Lifeng)副首相が出席し、各国・地域からの約65人の国家元首・政府首脳や、約850人の主要企業幹部らと同席します。何副首相は1月20日(火)に演説する予定です。
WEFのイベント編集チーム責任者シェイク・タンジェブ・イスラム氏は、金融メディア「第一財経(Yicai)」のインタビューで、参加者の関心が中国本土の経済パフォーマンス、イノベーションの生態系、構造転換に向いていると語りました。
また中国本土はきょう19日、2025年のGDPが140.19兆元(約20.12兆ドル)、前年比5%増となり、「約5%」の年間成長目標を達成したと発表しています。
改革と技術投資がカギに—WEFトップが語る「第5次産業革命」
ブレンデ氏は、中国本土の先行きについて、改革の前進とイノベーション・起業への投資が続けば、さらなる成長と繁栄が見込まれると述べました。さらに「中国本土はすでに第5次産業革命へと軸足を移している」とし、技術が生産性と成長に大きな機会をもたらすとの見方を示しています。
具体例として、風力タービンや太陽光設備の製造分野での存在感、電気自動車(EV)生産での役割、そしてBYDなど企業の認知拡大が挙げられました。
「対話」は合意の別名ではない—それでも今、必要とされる理由
分断と競争が強まる局面では、対話はしばしば「成果が見えにくいプロセス」になりがちです。それでもWEFが正面に据えるのは、戦争拡大リスク、債務、AIの急展開といった複数の不確実性が重なるとき、単独での最適解が見つかりにくいからかもしれません。ダボスで交わされる言葉が、2026年の経済と地政学の「次の前提」をどこまで更新するのか。5日間の議論が注目されます。
Reference(s):
Davos 2026 eyes constructive dialogue amid complex global landscape
cgtn.com







