春節前の中国本土、赤い「窓花」再び──紙一枚が“馬”になる瞬間 video poster
2026年1月、春節(旧正月)が近づく中国本土の家庭では、窓を彩る「窓花(そうか/chuanghua)」がこの時期ならではの存在感を増しています。薄い紙を切り抜くだけで、部屋の空気がふっと新年仕様に切り替わる——そんな民間芸術が、今年は「馬」を主役に戻ってきました。
窓花(窓の“花”)とは何か
窓花は、紙を切って作る繊細な図柄を窓ガラスに貼り、新年を迎える装飾のひとつです。中国の紙切り(剪紙)は何世紀にもわたって受け継がれてきた民俗芸術で、祝いの場面、とくに春節の飾りとして広く親しまれてきました。
モチーフは動植物や縁起物、物語の場面などさまざまですが、共通するのは「一年の願い」を図柄に託すことです。言葉にする前の願いが、線と余白で“見える化”される。窓花には、そんな静かな力があります。
赤い紙に込められる「運」と「祝福」
伝統的に窓花は赤い紙で作られます。赤は吉祥(縁起の良さ)と結び付けられ、幸福や祝福、来たる一年の好運を象徴するとされてきました。
作り方もシンプルで奥深い世界です。紙を折り、刃を入れ、開いた瞬間に図柄が立ち上がる。たった一枚の紙が、窓辺で光を受けて“影”までデザインの一部になるのも、窓花ならではの面白さです。
2026年は「馬」の年──4代目作家・張維生さんの新作
今年の干支は馬。4代目の紙切り作家、張維生(Zhang Weisheng)さんは「馬」をテーマにした窓花を4点制作し、それぞれに異なる“願い”を込めたとされています。
同じ馬でも、姿勢や線の勢い、周囲の文様の組み合わせで、受け取る印象は変わります。スピード、躍動、粘り強さ、道を切り開く感じ——見る人はそこに、自分の新年の目標を重ね合わせやすいのかもしれません。
「紙一枚が馬になる」手仕事が、いま心に残る理由
スマホで画像や動画がいくらでも流れる時代に、窓花の魅力はむしろ際立ちます。赤い紙の切り口、わずかな左右差、手のリズムが残る線。完全な対称ではないからこそ、作り手の息づかいがそのまま作品になります。
春節前の窓辺に貼られた窓花は、単なる飾りを超えて「願いの置き場所」になっているようにも見えます。年が改まるとき、人は何かを整え、何かを願う。その行為を、紙と光でそっと支えてきたのが窓花なのでしょう。
ポイント(短く整理)
- 窓花(chuanghua)は春節前に窓へ貼る紙切り装飾
- 赤い紙は幸運や祝福の象徴として用いられる
- 2026年(馬の年)に合わせ、張維生さんが馬を題材に4作品を制作
窓に貼られた赤い切り絵は、外の寒さを忘れさせるほど温かい“合図”にもなります。春節が近づくいま、紙一枚がつくる季節のスイッチを、あらためて眺めてみたくなります。
Reference(s):
cgtn.com







