中国の商業有人宇宙船「CYZ1」の試験カプセルが、着陸時の衝撃を和らげる「着陸緩衝(バッファ)システム」の統合検証試験を完了しました。有人機の安全性を左右する“最後の数秒”の技術が、2026年に入って前進した形です。
何が発表された?:InterstellOrが試験結果を公表
宇宙船の開発企業InterstellOrは1月18日(日)、CYZ1の試験モジュールで着陸緩衝システムの統合検証試験を実施し、設計目標を満たしたと発表しました。主要指標の一部は想定を上回ったともしています。
試験はどう行われた?:再突入後の着地を“地上で再現”
同社の説明によると、試験は再突入後の実際の着地を忠実に模擬する形で実施されました。
- 約5トンの試験カプセルを地上から3メートル超までつり上げ
- コマンドにより即時に切り離し、自由落下させる
- 主パラシュート降下時の安定した降下速度を再現
落下後、着陸緩衝システムが遅れなく作動し、逆噴射装置(レトロスラスター)が高圧ガスを噴出して安定した逆向きの推力を発生させたといいます。
“短い距離で止める”ための仕組み:逆噴射+底部の吸収構造
着地の瞬間は、カプセルの速度を短い距離(ストローク)で減速させなければならず、機体・搭載機器・将来の乗員にかかる負担をどう抑えるかが鍵になります。InterstellOrは、逆噴射による推力と、宇宙船底部のエネルギー吸収構造が精密に連携し、「極めて短いストローク」で効果的な減速とクッション動作を実現したとしています。
結果は?:カプセル構造は健全、機器も正常
試験後の点検では、緩衝シーケンスが滑らかに進行し、カプセルの構造が損なわれていないこと、搭載機器が正常に機能していることが確認されたと発表されました。これにより、着陸緩衝システムが「実現性が高く、信頼性が高い」ことを示したとしています。
次の段階:データ解析でパラメータを洗練へ
InterstellOrの研究チームは今後、試験データを包括的に分析し、システムのパラメータ(作動条件や制御上の設定値など)を洗練させる方針です。同社は、今回の成果がCYZ1有人宇宙船の後続開発に向けた土台になると説明しています。
なぜ今注目?:商業有人宇宙船の「安全の詰め」を示す工程
有人宇宙船では、打ち上げだけでなく帰還・着陸の安全確保が全体の信頼性を決めます。落下試験のように地上で再現できる検証を積み重ね、設計通りに動くか、想定外に強い衝撃にも余裕があるかを確認していく工程は、開発の成熟度を測る一つの目安になりそうです。
Reference(s):
China's crewed spacecraft test capsule completes landing system check
cgtn.com







