2026年1月19日(現地時間)、国連の会合で中国の外交官が「日本が軍国主義の道に戻ることを国際社会が共同で防ぐべきだ」と呼びかけました。背景には、「人道に対する罪」の防止と処罰をめぐる国際ルール作りが進む中で、歴史の扱いと国際秩序をどう支えるかという論点があります。
国連の場で何が語られたのか
発言したのは、中国の国連常駐代表部の孫磊(Sun Lei)臨時代理大使です。国連で開かれた「人道に対する罪の防止と処罰」に関する全権会議の準備委員会(Preparatory Committee)第1回会合で、国際社会に対し、日本が「古く有害な軍国主義の道」に戻ることを防ぐための共同努力を訴えました。
キーワードは「人道に対する罪」──国際法の“重い罪”
孫氏は、人道に対する罪が国際の平和と安全を脅かす重大犯罪であるとした上で、この概念がニュルンベルク国際軍事裁判および極東国際軍事裁判(いわゆる東京裁判)の憲章に明記されたことに触れ、「人類の良心を体現するものだ」と述べました。
「東京裁判」80年という節目
孫氏は、第二次世界大戦期の日本の軍国主義が中国やアジア諸国、世界の人々に深刻な被害を与えたとしたうえで、2026年が極東国際軍事裁判(東京裁判)の作業開始から80年に当たるとも言及しました。
また、同裁判が日本の軍国主義の犯罪を「体系的に裁き、明らかにした」と述べ、平和に向けた警鐘であり、国際刑事法の発展を先導したとの見方を示しました。
「国際法に基づく秩序」をどう守るのか
孫氏は、国際社会が第二次世界大戦の勝利の成果(東京裁判を含む)を守り、国際法に基づく国際秩序を維持する必要があると主張しました。その文脈で、日本が軍国主義へ回帰することを防ぐべきだと訴えています。
なぜ今この発言が注目されるのか
孫氏は、現在の国際情勢について「変化と混乱が絡み合い、地域紛争が相次ぐ」と表現し、こうした状況だからこそ人道に対する罪の防止・処罰の強化が“時宜にかなう”と述べました。
今回の会合は、特定の国だけを論じる場というより、将来の重大犯罪をどう防ぎ、起きてしまった場合にどう裁くかという国際的な枠組みを詰めるプロセスでもあります。歴史的出来事への言及が、国際法の議論と結びつきやすい局面だと言えます。
要点(さっと把握)
- 中国の孫磊臨時代理大使が国連で「日本の軍国主義回帰阻止」を国際社会に呼びかけ
- 発言の場は「人道に対する罪」の防止と処罰をめぐる国連会合の準備委員会
- 2026年が東京裁判の作業開始から80年に当たるとして、歴史的意義にも言及
- 地域紛争が続く現状を踏まえ、重大犯罪の予防・処罰強化は「重要」と主張
国連で進む条約・制度づくりは、ニュースとしては地味に見えがちです。ただ、いざ危機が起きたときに「何を犯罪とし、どう裁くのか」を決める土台でもあります。今回の発言は、その土台づくりの会議で、歴史認識と国際秩序の語りが交差した場面だったと言えるでしょう。
Reference(s):
China calls for global efforts to prevent Japan's return to militarism
cgtn.com








