第10回北京国際美術ビエンナーレ「共存」:100超の国・地域が交わるアート対話 video poster
第10回北京国際美術ビエンナーレ(BIAB)が「共存(Coexistence)」をテーマに、国境や表現手法の違いを越えた“対話の場”として注目を集めています。デジタル表現と水墨の探究、セルビア現代アートの特別セクションなど、多層的な展示構成が特徴です。
「共存」を、作品の並置ではなく“対話”として見せる
今回のビエンナーレの軸にあるのは「共存」。ただ多様な作品を集めるのではなく、異なる文化的背景や技法が同じ空間で響き合うようにキュレーション(展示の編集)が組まれている点がポイントです。
とりわけ、伝統的な筆致や余白の感覚をもつ表現と、デジタル技術を用いた表現が同じ文脈で語られることで、「新しさ」や「古さ」といった単純なラベルでは整理できない視点が立ち上がります。
見どころ:デジタル、水墨、そしてセルビア現代アート
紹介されている内容からは、展示の“幅”がそのまま国際対話の設計になっていることが見えてきます。
- デジタルアートの探究:技術を前面に出すだけでなく、表現の倫理や身体感覚、鑑賞体験の更新まで含めて問いが広がりやすい領域です。
- 水墨(ink art)の探究:素材や技法の伝統を引き継ぎながら、現代の感性で再解釈する動きが読み取れます。
- セルビア現代アートの特別セクション:特定地域を焦点化することで、グローバル展示の中でも輪郭のある“語り”が生まれ、比較の視点が持ちやすくなります。
100超の参加が示すもの:世界を一枚岩にしない編集
BIABは100を超える国・地域にまたがるプラットフォームだとされます。数の多さ自体が価値というより、同じテーマ(共存)に対して、歴史・宗教・都市経験・テクノロジー環境などが違う場所から別々の答えが持ち寄られる点に意味があります。
国際展では、作品が「多様性」の言葉に回収されがちです。しかし今回のように、伝統と革新、ローカルな文脈とグローバルな視点が交差する配置があると、鑑賞者は“違い”を眺めるだけでなく、“違いがどう共存しうるか”を考える回路に自然と入っていきます。
2026年のいま、アートが「共存」を掲げる理由
2026年1月現在、社会や技術の変化は速く、対話の前提(どんな言葉が共有できるのか、同じ場に立てるのか)そのものが揺れやすい時代です。だからこそ「共存」は、きれいなスローガンではなく、むしろ難題として提示されやすいテーマでもあります。
デジタルと手仕事、地域性と国際性。相反に見える要素を“どちらか”に整理しない編集が、いまの鑑賞体験に静かな手がかりを残します。
ひとことメモ:BIABとは
ビエンナーレは、複数の国・地域の作家や作品を集め、一定のテーマや編集方針のもとで現代の表現を見せる国際展の形式の一つです。BIABはその枠組みの中で、伝統と革新を同時に扱う構成が特徴として語られています。
Reference(s):
cgtn.com







