中国本土ギャラクティック・エナジー、再使用ロケットPALLAS-2用エンジン試験完了
中国本土の商業ロケット開発で、再使用型大型ロケット「PALLAS-2(パラス2)」の中核となる新型エンジンがシステム試験を終えました。打ち上げ能力の“数字”だけでなく、再使用を支える信頼性づくりがどこまで進んでいるのかが注目点です。
何が起きた?(2026年1月20日の報道)
中国本土・北京に拠点を置く商業ロケット企業「Galactic Energy(ギャラクティック・エナジー)」が、大型再使用ロケットPALLAS-2向けエンジンの包括的なシステム試験を完了したと、1月20日(火)に中国本土メディアのScience and Technology Dailyが報じました。
同社によると、試験はエンジン「CQ-90」の設計・製造・システム統合を検証する目的で実施され、点火はスムーズで運転は安定、試験中は炎が明瞭に確認でき、停止も正常だったとしています。
試験結果のポイント:燃焼効率96%超
公表されたデータでは、エンジンの各性能パラメータが設計仕様を満たし、燃焼効率は96%を超えたとされています。再使用型ロケットでは、単に推力が出るかだけでなく、繰り返し運用を見据えた安定性や再現性の確認が重要になります。
CQ-90とは:CQ-50をベースに強化したLOX・ケロシンエンジン
CQ-90は、同社のCQ-50エンジンをアップグレードして開発された液体酸素(LOX)・ケロシンエンジンです。特徴として、以下が挙げられています。
- 最大6度までの双方向スイング(推力方向を振って姿勢制御に使う機構)
- 複数回の点火に対応
- 広い範囲で推力を可変にできる設計
複数回点火や推力可変は、飛行中の制御や回収(着陸)局面など、運用の自由度に関わる要素として関心を集めやすい領域です。
PALLAS-2の機体規模:直径4.5m、2つの構成
PALLAS-2は直径4.5メートルの大型ロケットで、2種類の構成が示されています。
ベースライン構成
- 離昇質量:約757トン
- 離昇推力:約910トン
- LEO(低軌道)打ち上げ能力:20トン
ストラップオン・ブースター構成
- 離昇質量:約1,950トン
- 離昇推力:約2,730トン
- LEO(低軌道)打ち上げ能力:58トン
なぜ今このニュースが重要なのか
大型ロケットは、衛星コンステレーション(多数の小型衛星を軌道に配置する仕組み)や大型衛星の打ち上げ需要と結びつきやすい一方、コスト・調達・製造、そして「信頼性の積み上げ」が成功の鍵になります。今回の発表は、PALLAS-2計画が“机上の設計”から“実機の検証”へ踏み込んでいることを示す材料の一つと言えます。
今後は、エンジン単体だけでなく、段(ステージ)としての統合試験や運用面の検証など、より厳しい条件での確認が重ねられていくかが焦点になりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








