2025年の中国映画産業、総生産8170億元超──劇場の外へ広がる経済効果
中国国家電影局(China Film Administration)によると、2025年の中国映画産業は総生産(総アウトプット)で8170億元超(約1170億ドル)に達しました。映画が「劇場で観る」体験にとどまらず、消費や観光、クリエイティブ産業まで巻き込みながら広がっていることを示す数字です。
8170億元超とは何を指す?「映画産業」の捉え方が広がっている
今回の発表で注目されるのは、映画を単体の興行収入としてではなく、産業全体の価値(アウトプット)として捉えている点です。制作・配給・上映といった中核だけでなく、映画を起点に動く周辺の経済活動も含めて「いまの映画」を測ろうとしています。
波及効果は3391億元──映画が“次の消費”を連れてくる
同局は、映画関連の活動による波及価値(spillover value)が3391億元にのぼることも示しました。映画が人の移動や買い物、体験消費を促し、別の市場を動かす──そんな構図がよりはっきりしてきたと言えます。
波及が起きやすい領域(整理)
- 消費:映画に触れた後の関連商品・サービス、周辺コンテンツへの支出
- 観光:作品世界の体験やロケ地・文化資源への関心が移動につながる流れ
- クリエイティブ産業:映像表現が他分野の制作や企画の起点になりやすい
「伝統文化が新しい形で届く」という意味
発表では、映画が伝統文化を新しい観客へ届ける役割にも触れられています。古いものをそのまま保存するだけでなく、映像という形式で“いまの言葉”に翻訳し直すことで、日常の選択肢として文化に出会う回路が増える——この見立ては、映画を文化と経済の両方から見るときに重要な視点です。
2026年に入ったいま、この数字が示すこと
2025年の総生産8170億元超と波及3391億元という組み合わせは、映画が「単発のヒット」だけで語りにくい段階に入っていることを示唆します。劇場の外側——家庭、移動先、街の体験、創作の現場——へと視聴や参加の場が分散するほど、映画の価値は“興行成績”だけでは測り切れなくなります。
数字の大きさ以上に気になるのは、映画がどんな体験として設計され、どの産業と接続していくのか。2026年の映像消費を考えるうえでも、静かに効いてくる論点になりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








