トランプ氏「中国本土に風力発電所がない」発言 国際報道が示す実態
スイス・ダボスで開かれた世界経済フォーラム(WEF)の場で、トランプ米大統領が「中国本土は風力発電を国内で使っていない」と趣旨の発言をしました。しかし国際メディアは、中国本土が“世界最大の風車メーカー”であるだけでなく、“最大の風力消費地”でもある点を挙げ、発言は実態と合わないと伝えています。
何が語られたのか:ダボスでの発言
報道によると、トランプ大統領は現地時間2026年1月21日(水)、WEF(ダボス会議)で、中国本土は風車(風力タービン)を大量に製造している一方で「中国本土では風力発電所を見つけられない」と述べたとされています。さらに、風車を海外に高値で売っているという見方も示しました。
国際メディアの指摘:生産だけでなく“導入”でも最大規模
ただ、この見方は複数の国際報道によってすぐに反論されました。焦点はシンプルで、「製造」だけでなく「国内導入」も桁違いだ、という点です。
- 英Guardianは「主張は誤り」とし、中国本土の風力発電の設備容量は世界最大で、建設中の容量も世界全体の他地域合計を上回ると報じました。
- 同紙は、エネルギー系シンクタンクEmberのデータとして、2024年の中国本土の風力発電量が世界全体の40%を占めたとも紹介しています。
- E&E Newsは、中国本土が「作った風車を使っていない」のではなく、むしろ風力の設備容量が世界2位の米国を上回ると伝えました。
「輸出だけ」では語れない:国内需要が製造を押し上げる構図
1月上旬に同様の問題提起が繰り返された際、Forbesも「中国本土は風力・太陽光の設備容量で世界最大で、建設中も突出している」と報じています。さらにAFPは、中国本土の風車製造は国外向けだけでなく、国内需要に応える側面が大きいと伝えました。
言い換えると、「作る国」と「使う国」が分かれているというより、巨大な国内導入が、巨大な製造を成り立たせている——そうした見取り図が、国際報道の中では主流になっています。
いまこの話題が注目される理由
WEFのように各国の産業政策やエネルギー転換が議論される場では、風力発電は「発電技術」でもあり、「サプライチェーン(供給網)」でもあります。だからこそ、どこが作り、どこが使い、どこが増やしているのかという数字は、発言の印象以上に重みを持ちます。
今回のやり取りは、風力が“賛否の政治テーマ”になりやすい一方で、実態の評価には、設備容量・建設中案件・発電量といった複数の指標を同時に見る必要があることを静かに示しています。
Reference(s):
Trump claims China only exports wind turbines – here's the reality
cgtn.com








