氷結する山岳送電線をロボットが守る――中国本土中部の800kV幹線
中国本土中部で今週、強い寒波により山岳地帯の送電線が氷で覆われ、電力の大動脈にリスクが生じました。現場では人の作業に加え、クローラー(走行ロボット)と飛行ロボットを組み合わせた「ロボット部隊」が投入されています。
何が起きたのか:氷が送電線を押しつぶすリスク
舞台となったのは、随州市近郊の牛脊山(Niuji Mountain)の凍りついた峰々です。今週の寒波で鉄塔や送電線に厚い氷が付着し、800キロボルト(kV)のShan-Wu線(北から南へ電力を送る重要ルート)が損傷する恐れが高まりました。
送電線の着氷は、単に「線が重くなる」だけではありません。風や気温変化が重なると、たわみや振動が増え、最悪の場合は設備の破損や停電につながり得ます。
注目点:人だけではなく、ロボットが前線に入る
今回の特徴は、厳しい環境下での保全作業に、ロボットが実戦投入されている点です。現場の電力クルーは、次の2種類の機材を連携させ、送電網の保護にあたっています。
投入された「動く相棒」2つ
- 「Python」全地形クローラー:雪や凍結路面などの悪条件でも前進できる重装備の走行ロボット。
- 精密な除氷用の飛行ロボット:上空から送電設備の状況に対応し、除氷作業を支援する機体。
なぜロボットが効くのか:安全とスピードの両立
凍てつく山岳地での送電設備点検や除氷は、転倒・滑落・強風といった危険と隣り合わせです。ロボットの投入は、こうした現場の負担を軽くしながら、対応の速さを上げる狙いがあります。
特に、送電線は広域に張り巡らされているため、異常の兆候を早く見つけ、必要な地点へ素早く人員と機材を寄せることが重要になります。ロボットが「近づく・見る・作業する」を分担することで、限られた時間と人手の中でも判断と実行が進みやすくなります。
寒波の週に浮かぶインフラの現実
エネルギーの幹線は、ふだんは意識されにくい存在です。しかし、ひとたび極端な寒さが来ると、都市の暖房・工場の稼働・物流など、暮らしと経済の土台が一本の線に結びついていることが見えてきます。
今回の牛脊山での取り組みは、「人が最後まで現場に残る」ことを前提にしつつ、危険と隣り合わせの領域にロボットを先に出すという、現代のインフラ運用の一つの形を示しています。
ポイント:2026年1月の寒波下、中国本土中部の山岳送電線で着氷リスクが高まり、走行ロボットと飛行ロボットを組み合わせた除氷・保全が進められています。
Reference(s):
cgtn.com








