『Ne Zha 2』世界興収22億ドル、海外1億ドル超に—文化DNAを“再起動” video poster
2026年1月23日時点で、アニメ映画『Ne Zha 2』が世界の興行収入で22億ドルを突破し、中国本土以外の収入も1億ドルを超えたとされています。数字以上に注目されているのは、作品が提示した「伝統の更新」のやり方です。
いま何が起きている?—“中国本土発”アニメの到達点
今回のヒットは、単に市場規模の大きさを示すだけではありません。海外での収入が1億ドルを超えたという点は、物語や音、世界観が“字幕の壁”を越えて届いた可能性を示します。
- 世界興収:22億ドル
- 中国本土以外:1億ドル超
監督ジャオズー(Jiaozi)が語る「文化DNAをデジタル時代に」
監督のジャオズー(Jiaozi)は、ヒットの鍵を「文化的なDNAをデジタル時代向けに再起動した」と表現しています。ここで言う“再起動”は、昔話をそのまま移し替えるのではなく、現代の視聴環境(短い集中、強い音響、SNSでの拡散)に耐えるテンポや表現へと組み替える発想だと読み取れます。
2,500年の合唱が“バトル曲”に—音楽が翻訳装置になった
作曲家ヤン・ルイ(Yang Rui)が取り入れたのは、約2,500年の歴史を持ち、ユネスコに登録されたトン族の合唱とされる古い声の文化です。それを現代的なシンセウェーブ(シンセサイザー中心の電子音楽の質感)と融合させ、バトル曲として鳴らす。古代の旋律が“資料”ではなく“現在形の熱量”として機能したことが、作品の推進力になったようです。
なぜこの組み合わせが効くのか
- 声(合唱)の身体性が、映像のスピード感に「人間の温度」を足す
- 電子音が、伝説の世界を「いまの音圧」で観客の体感へ落とし込む
- 結果として、東方の伝説が“説明なしでも伝わる”語り口に近づく
「伝統を守る」ではなく「伝統が生き延びる形」を探す
『Ne Zha 2』の動きが示唆するのは、伝統文化を“保管”する発想だけでは、現代のグローバルな視聴体験の中で存在感を保つのが難しい、という現実です。一方で、古い要素を解体しすぎれば芯が薄くなる。その間で、音楽のように感覚に直結するレイヤーから新しい共通語を作る手法は、今後も参照されそうです。
今後の焦点:次の作品は何を“再起動”するのか
今回の成功は、ひとつの正解というより「更新の仕方」の提示に近いのかもしれません。次に注目されるのは、
- どの地域のどんな伝承・音・身体表現が、次の“現代語”になるのか
- 海外展開で、物語の理解を助ける工夫(音・編集・演出)がどう磨かれるのか
伝説は古いから残るのではなく、何度も語り直されることで残る——そんな当たり前を、興収22億ドルという数字が静かに裏づけた出来事とも言えそうです。
Reference(s):
$2.2B & China's Cultural Code Cracked: Ne Zha 2's Global Screen Storm
cgtn.com







