海南省の伝統芸能「瓊劇」――方言が響く中国オペラ、無形文化遺産の今
中国本土・海南省の伝統芸能「瓊劇(けいげき)」が、方言を生かした独特の響きと、無形文化遺産としての継承という二つの軸で、いま改めて注目されています。2008年に国家級の無形文化遺産に登録されたこの古い芸能は、2026年の現在も、継承者たちの工夫と粘り強い取り組みによって“次の世代へ渡す作業”が続いています。
瓊劇とは? 海南省に根を張る「地域の中国オペラ」
瓊劇は、中国オペラ(中国の伝統的な歌劇)の地域的な様式の一つです。舞台の中心は中国本土の海南省で、海南は略称で「瓊(Qiong)」とも呼ばれます。瓊劇は、地域の歴史や暮らしの積み重なりを映す芸能として、深い文化的な根を持つとされています。
最大の特徴は「海南方言」――音が文化を連れてくる
瓊劇の大きな特徴の一つが、海南方言で演じられる点です。言語が変わると、音の抑揚、言い回し、観客の受け取り方まで変わります。瓊劇はこの「言葉の風合い」によって、他の地域の中国オペラとは異なる、土地固有の“手触り”を舞台に残してきました。
2008年に国家級無形文化遺産へ――評価は「保存」だけで終わらない
瓊劇は2008年、国家級の無形文化遺産として登録されました。登録は大きな節目ですが、芸能の命は「名簿に載ること」ではなく、上演され、学ばれ、語り継がれることにあります。2026年の今も、瓊劇を支える世代の努力は「守る」だけでなく、「続けられる形へ整える」ことに向けられているようです。
継承者たちが続ける“復興”の試み:粘り強さと革新
瓊劇の継承者たちは、古い芸能をただ固定化するのではなく、粘り強さ(継続)と革新(新しい息づかい)の両方で、芸能の活力を取り戻そうとしてきたといいます。
- 世代を超えた継承:上演技術や表現を、次の担い手へ手渡す
- 新たな活力の注入:古典性を核にしながら、新しい工夫で観客との距離を縮める
- 発信の視野:地域の舞台にとどまらず、より広い場で輝くことを目指す
「地域の言葉」で世界へ? 伝統芸能が持つ静かな可能性
海南方言という強い個性は、同時に“世界に通じる普遍性”への入口にもなりえます。固有の言語と歴史を背負った芸能は、翻訳し尽くせないニュアンスを含む一方で、だからこそ「その土地にしかない文化」として人の関心を引き寄せます。瓊劇が掲げる「復興」と「世界の舞台」という視線は、伝統芸能が現代に居場所を作っていく上での一つの象徴にも見えてきます。
注目ポイント:瓊劇は「海南省の歴史・方言・舞台芸術」が一体になった無形文化遺産であり、2008年の登録以降も、継承者たちの工夫によって“続く芸能”として更新が試みられています。
Reference(s):
Keeping tradition alive: Qiong Opera, Hainan's intangible heritage
cgtn.com







