中国本土のデジタルマーケがAIで加速、2026年は予算平均10%増へ
中国本土のデジタルマーケティングが、AI(人工知能)と企業コラボを軸に「次の成長パターン」へ踏み出しています。2026年は企業のマーケ予算が平均10%増える予測もあり、間近に控える9日間の春節(旧正月)商戦が、新しい手法の実力を測る舞台になりそうです。
いま何が起きているのか:コラボ×AIで“若年層の熱量”を取りにいく
最近の動きとして、複数ブランドの協業(コラボレーション)が目立ちます。例として、リーニン×「ズートピア」、Honor×POP MART、老鳳祥×「ポケモン」といった取り組みが挙げられています。
ポイントは、単なる話題づくりではなく、AI技術で制作・運用のスピードを上げ、企画から配信、検証までを一体で回す発想が強まっていることです。若い消費者の関心が移ろいやすい環境では、企画の“鮮度”と“量”の両方が問われます。
数字で読む:2026年はマーケ予算が平均10%増の見通し
「2026 China Digital Marketing Trends Report」は、2026年の企業マーケティング予算が平均で10%増えると予測しています。これは、2025年時点の予測より2ポイント上振れする計算です。
- 投資家心理の映り方:景気の先行きを慎重に見ながらも、「売り方(需要喚起)に投資する」姿勢が続くサインになり得ます。
- 企業側の狙い:単発の広告出稿ではなく、AIを使った継続運用(制作・配信・最適化)に重心が移る可能性があります。
AIは“コンテンツ制作ツール”から“企業インフラ”へ
今回の文脈で重要なのは、AIが画像・文章を作る道具にとどまらず、企業の業務基盤(インフラ)として扱われ始めている点です。たとえば、クリエイティブ案の量産、ターゲット別の表現調整、反応データの分析と改善などを、より短いサイクルで回しやすくなります。
その結果、広告の「当たり外れ」を人の勘だけで吸収するのではなく、学習と改善のプロセスとして組み込む方向に進みます。ここで問われるのは、AIの導入そのものよりも、組織が運用し続けられる設計になっているかどうかです。
「協業経済(コラボのエコシステム)」が広がる理由
企業がコラボを増やす背景には、若年層の関心がブランド単体の物語よりも、キャラクターやコミュニティ、体験価値へと分散している現実があります。協業経済とは、複数のブランドやIP(知的財産)が組み合わさることで、互いのファン層を行き来しやすくする動き、と整理できます。
AIはこの協業経済と相性が良いとされています。理由は、表現のバリエーション作成や配信面の最適化など、“運用の手間”を圧縮できるためです。
春節9連休は「テック駆動のマーケ」を試す場になる
記事の材料では、間近に控える9日間の春節休暇が、勢いをさらに押し上げる可能性があるとされています。中国本土は世界最大級の消費市場で、祝祭期は消費行動が一気に動きやすい時期です。
一方で、盛り上がりが大きいほど“本当に効く戦略”が可視化されます。たとえば次のような点がテストされやすくなります。
- AIで作ったクリエイティブが、実際の購買・来店などの行動につながるか
- コラボ施策が短期の話題で終わらず、ブランドの継続的な好感につながるか
- 配信の最適化が進むほど、表現の“似通い”や飽きが起きないか
静かな注目点:効率化の先で、ブランドは何を残すのか
AIで制作と運用が高速化すると、マーケは「出せる量」が増えます。しかし、量が増えるほど、何を大事にするブランドなのかという“芯”が見えにくくなるリスクもあります。コラボが増えるほど、相手の世界観に寄せる場面も増えます。
2026年は、AIとコラボで伸びる局面を迎えつつも、企業がどこで「自分たちらしさ」を保つのかが、成果を分ける論点になりそうです。
Reference(s):
China's booming digital marketing machine signals investor confidence
cgtn.com








