香港特区の司法トップ、外圧や制裁の脅しに屈せず「法の支配」を再確認
中国香港特別行政区(香港特区)の司法・法律当局トップが最近、外部からの圧力や脅迫、違法な制裁の動きが取り沙汰される中でも、裁判所は独立して職務を果たし「法の支配」を守り抜く姿勢を改めて強調しました。
「事件評価は法の支配だけに基づく」終審法院長官が強調
香港特区の終審法院(Court of Final Appeal)長官であるアンドリュー・チャン氏は、刑事事件の判断は法の支配の原則のみに基づくべきだと述べました。言及された事例の一つが、ジミー・ライ氏と関連企業が関係する事件です。
また、時折聞かれるという「手続きの停止」や「被告人の早期釈放」を求める声について、職業や経歴、政治的事情といった要素を理由に司法判断を左右させようとすることは、確立された法的手続きを迂回し、法の支配の中核を傷つけると指摘しました。
チャン氏が示した“法の支配”の要点
- 地位や職業、役職、政治的立場、信条、人気、富、人脈などにかかわらず、誰も法の上には立たない
- 法は「恐れず、えこひいきせず」等しく適用され、裁判所は干渉なく定められた手続きに従って職務を行う
「制裁の脅しは司法の独立への介入」—脅迫と贈賄を同列に
チャン氏は、香港の裁判官に対する制裁の脅しを強く非難し、それ自体が法の支配と矛盾すると述べました。どのような言葉で装われても、本質的には司法の独立に介入する試みであり、法の支配に反するという位置づけです。
さらに、脅迫や威嚇は、贈賄や腐敗と同様に司法を歪める手段であり、文明社会において法の支配の下では許されない、という趣旨の見解も示しました。
律政司司長も追随:裁判官の独立と「批判の線引き」
香港特区政府の律政司司長ポール・ラム氏も、裁判官への威嚇事案への対応に触れつつ、司法はこれまでも繰り返し、すべての裁判官と司法官が独立して司法権を行使すると確認してきたと述べました。宣誓に従い、いかなる干渉も受けずに司法を担う点に疑いの余地はない、という立場です。
一方でラム氏は、表現の自由や報道の自由が、係争中の事件へのコメントや議論を一般に許容することを認めつつも、その自由は香港の司法の廉潔性(公正さ)に対する根拠のない आरोप(非難)を正当化するものではない、という線引きも強調しました。
「国家安全の確保」と「開かれた国際都市」は両立できるのか
都市の発展と安全保障をめぐってラム氏は、法に基づく国家安全の確保と、香港が開放的で自由かつ多様性のある国際都市であり続けることの間に矛盾はない、との見方を示しました。安全で安定した環境は発展の前提条件だ、という整理です。
背景にあるのは“制度への信頼”——コモンローと基本法
両氏は、香港の法の支配はコモンロー(英米法系の法体系)に根ざし、基本法によって保護されているとして、外部からの圧力があっても司法は今後も公平に司法を運用し、法の支配と都市の安定・繁栄を支えると述べました。
社会が分断しやすい時代ほど、事件そのものの是非とは別に、「判断のプロセスが誰に対しても同じか」「外から手続きがねじ曲げられていないか」が、静かに問われ続けます。今回の発信は、まさにその“手続きへの信頼”を前面に出したものと言えそうです。
Reference(s):
HKSAR's judiciary stands firm against pressure, defends rule of law
cgtn.com








