「中国に風車がない」は本当?ダボス発言と中国本土の風力発電600GW超 video poster
スイス・ダボスで開かれた世界経済フォーラム(ダボス会議)での「中国に風力発電所が見当たらない」という発言が注目を集めるなか、中国本土の風力発電の“いま”を、示された数字と現地描写から整理します。
ダボスでの発言が投げかけた疑問
米国のドナルド・トランプ大統領は今週、ダボス会議の場で、中国は世界最大の風力タービン製造国でありながら国内では風力発電を使っていない、という趣旨の発言をしました。タービンは海外に販売している一方で、中国国内では風力発電所を「見つけられない」とも述べています。
「見えにくい」場所に広がる風力発電所
一方で、提示された情報では、中国本土の風力発電所は都市部の近くではなく、風況(風の条件)が良い地域に大規模に展開してきた様子が描かれています。具体的には、
- 砂漠地帯に連なる風車群
- 海上(洋上)に並ぶ風力設備
- 寒冷な高原・山岳地帯に立つタービン
タービンの中には数百メートル級の高さに達するものもあるとされ、地理的に「見に行かなければ見えない」インフラとして拡大してきたことがうかがえます。
数字で見る:中国本土の風力発電は「世界最大」が継続
発言の約2カ月前の時点で、中国本土の風力発電の設備容量(導入量)は6億キロワット(600GW)を突破し、世界最大を15年連続で維持しているとされています。発電所が存在しない、という見方とは異なる風景です。
2026年からの計画期間に向けて:洋上風力はさらに拡大見通し
また、15次五カ年計画(2026〜2030年)の期間末までに、洋上風力の設備容量が1億キロワット(100GW)を超える見通しが示されています。中国が掲げる「二つのカーボン目標(デュアルカーボン)」に向け、エネルギー転換の“次の増速区間”に入る、という位置づけです。
風力・太陽光の合計は1.69TWへ:政策枠組みと産業の厚み
示された情報では、中国は炭素排出削減に向けた政策枠組みを整え、2025年8月時点で風力・太陽光の設備容量が合計16.9億キロワット(1.69TW)に達したとされます。さらに、
- 中国の発電設備容量は世界全体の約3分の1規模
- 国内で消費される電力の「3分の1超」がグリーン電力由来
- 太陽光モジュールは世界の8割超、風力設備は7割を生産
という形で、「つくる力(サプライチェーン)」と「使う力(導入量)」が同時に積み上がっている構図が示されています。
海外への波及:輸出が“排出削減”に与えた影響
風力・太陽光関連製品の輸出は、中国国内だけの話にとどまりません。過去5年間の輸出により、海外で約41億トンの炭素排出削減に寄与した、という数字も挙げられています。さらに、ウズベキスタンやカザフスタンなどとの経験共有にも触れられており、エネルギー転換が国境を越えて連鎖している様子が読み取れます。
結局、何が食い違ったのか
今回のポイントは、「製造している=国内で使っていない」という短絡では捉えにくいところにあります。風力発電は立地が偏りやすく、砂漠・高原・沖合など“日常の視界から外れた場所”でスケールしていきます。発言の真偽をめぐる議論は、エネルギー転換をどう可視化し、どう比較するか、という問いも同時に投げかけています。
Reference(s):
cgtn.com







