中国CASCが「space+」構想発表:宇宙旅行・資源開発・交通管理を15次五カ年計画で推進
中国の宇宙開発を担う中国航天科技集団(CASC)が2026年1月29日、「space+」シナリオとして宇宙旅行や宇宙デジタル基盤、宇宙資源開発、宇宙交通管理を15次五カ年計画期に進める方針を示しました。伝統的な宇宙開発の枠を越え、商業・産業分野へ広げる意図が読み取れます。
「space+」で何を狙うのか
CASCの発表は、宇宙を“打ち上げと探査”だけでなく、観光、データ処理、資源、ルールづくりまで含む経済圏として設計していく構想を並べたものです。キーワードは「宇宙を使う産業」を増やすことだといえます。
柱①:宇宙旅行—サブオービタルの定期化から軌道旅行へ
宇宙旅行では、サブオービタル(弾道飛行)とオービタル(地球周回軌道)双方の機体開発を加速させる方針です。無人・有人の飛行検証を進め、運航システムを整備したうえで、サブオービタルの定期運航を目標に掲げ、段階的に軌道旅行へ進むとしています。
- サブオービタル/オービタル機の開発加速
- 無人・有人の飛行検証の完了
- 宇宙旅行の運用システムを包括的に構築
- サブオービタルの定期フライト→軌道旅行へ段階移行
柱②:宇宙デジタル基盤—「クラウド×エッジ×端末」を宇宙へ
宇宙デジタル基盤では、ギガワット級の宇宙デジタルインフラの構築を掲げました。さらに、クラウド・エッジ・端末を組み合わせた新たな統合宇宙システムのアーキテクチャ(全体設計)を構想し、計算能力・保存(ストレージ)・伝送を一体化して、宇宙側でのデータ処理や地上と宇宙の協調計算を支えるとしています。
言い換えると、「データを地上に降ろしてから処理する」一択ではなく、宇宙空間で“その場処理”を進める土台づくりです。
柱③:宇宙資源開発—「天宮開物」プロジェクトの実現可能性調査
資源分野では、大型プロジェクト「Tiangong Kaiwu(天宮開物)」の実現可能性調査を行うとしました。宇宙資源開発の総合実験と、地上支援システムの構築に焦点を当てるとしています。
開発対象の要素技術として、発表文では次の項目が挙げられました。
- 小惑星資源の探査
- 知能化・自律型の採掘(自動で判断し作業する仕組み)
- 低コスト輸送
- 軌道上処理(宇宙空間で加工・処理する工程)
柱④:宇宙交通管理—宇宙ごみ監視と国際ルール形成への関与
宇宙交通管理では、宇宙ごみ(スペースデブリ)の監視、早期警戒、除去の重要技術を前進させるとしました。宇宙インフラの安全運用を図るとともに、宇宙交通管理に関する国際規制づくりにおける役割を強めたい考えも示されています。
今回の発表が示すもの:宇宙経済の「次の主戦場」
発表全体を貫くのは、宇宙活動を研究・国家プロジェクトの領域にとどめず、観光、計算基盤、資源、交通管理という“使う・回す”領域へ拡張していく姿勢です。グローバルな宇宙経済が広がる中で、中国が産業応用のレイヤーまで見据えた青写真を提示した格好です。
一方で、定期運航や大規模インフラ、資源開発、デブリ対策はいずれも技術・運用・ルールの整合が必要になる分野です。今後、具体的な工程や実証の進み方がどこまで可視化されるかが、現実味を左右しそうです。
Reference(s):
China unveils 'space+' ambitions for tourism, mining and more
cgtn.com








