中国科学院、衛星-地上レーザー通信で最高120Gbps 軌道上ソフト再構成で倍増
中国科学院・宇宙情報研究院(AIR)が、衛星から地上へデータを送る「レーザー通信」で100Gbps超の実験に成功し、ピーク120Gbpsを記録しました。観測衛星が生み出す大容量データを、より短時間で地上へ降ろす技術として注目されます。
何が起きた? 120Gbps達成のポイント
AIRによると、衛星-地上レーザー通信の事業利用を見据えた応用実験で、安定した通信リンクと良好なダウンリンク(地上への下り通信)品質を確認したといいます。
- ピーク速度:120Gbps(100Gbps超のデータレートを達成)
- 過去の節目:2023年に10Gbps、2025年に60Gbps
- 今回の特徴:衛星ハードの改造なしに、軌道上のソフトウェア再構成で能力を引き出し、60→120Gbpsへ倍増
どこで、どんな装置を使ったのか
実験は、中国本土の新疆ウイグル自治区にあるパミール高原のレーザー地上局で実施されました。地上側には、チームが自前で開発した口径500mmのレーザー通信システムを使用。衛星側はAIRSAT-02と連携したとされています。
「レーザー通信」って何がすごい?(かんたん整理)
レーザー通信は、電波ではなく光(レーザー)でデータを送る方式です。一般に、同じ時間でより多くのデータを運べる可能性があり、衛星の高性能化と相性が良いとされています。
- 大容量:高精細な地球観測データなどを一気に降ろしやすい
- 狙いが細い:ビームが細く、通信の設計が電波と異なる
- 条件がシビア:雲や大気の影響、衛星と地上局の高精度な追尾が重要
ハードを変えず「軌道上ソフト」で伸ばした意味
今回の発表で印象的なのは、衛星のハードウェアを変更せず、軌道上(オンオービット)でのソフトウェア再構成によって通信性能を引き上げた点です。衛星は打ち上げ後の物理的な改修が難しいため、運用中に“引き出し”を増やせる設計・運用は、実装面での価値が大きいといえます。
この先、どこで効いてきそうか
2026年に入ってからのこの動きは、地球観測や災害対応、広域ネットワークの基盤づくりなど、データ需要が増える分野と重なります。今後の焦点は、悪天候時の代替経路や地上局ネットワークの拡充など、「実験」から「運用」へ移るための信頼性・継続性をどう積み上げていくかになりそうです。
Reference(s):
China hits 120 Gbps in satellite-to-ground laser communications
cgtn.com








