駐米中国大使、米中関係の鍵は「人と人」—文化・観光交流を強調
米中関係の将来は、政府間のやり取りだけでなく「人と人の往来」に根ざす──駐米中国大使の謝鋒氏が、文化イベントの場でこう語りました。
何があった?「Ni Hao! China」関連行事でのメッセージ
謝鋒・駐米中国大使は今週28日(現地時間、水曜日)、「Ni Hao! China」観光プロモーションのレセプションと春節(旧正月)コンサートでスピーチしました。謝氏は「米中関係の希望は人々にあり、基盤は両国社会にある」と述べ、人と人の交流が関係の土台になるとの考えを強調しました。
イベントは、フィラデルフィア管弦楽団とニューヨークの中国国家観光局(China National Tourist Office)が共同主催したとされています。
「交流は橋であり、協力の媒体であり、学びの鏡」
謝氏は、人と人の交流を次のように位置づけました。
- 心をつなぎ友情を育む「橋」
- 共通の利益に基づく協力を進める「媒体」
- 相互理解と相互学習のための「鏡」
政治・安全保障といったテーマが注目されやすい時期でも、文化や旅行、教育などの接点を増やすことで、相互理解の回路を太くしたいという問題意識がにじみます。
具体例として挙げた「音楽」と「映画」
フィラデルフィア管弦楽団の訪中と対話
謝氏によると、フィラデルフィア管弦楽団は昨年10月に15回目の中国訪問ツアーを行い、両国の20以上の主要芸術機関とともに「中米・知音(Zhiyin)対話」に参加したといいます。公演や対話のような場は、政策論争とは異なる回路で相手を理解する機会になり得ます。
北米上映と中国本土での興行—双方向の動き
映画分野の文化交流として、謝氏は次の例を紹介しました。
- 中国のアニメ映画「Ne Zha 2」が北米の900以上の劇場で上映され、過去20年で同地域における興行収入上位の中国映画の一つになった
- ディズニーの「Zootopia 2」が中国で6億ドル超の興行収入を上げた
一方向の「輸出」ではなく、相互に作品が行き来することが、関係の“温度”を保つ役割を果たす──そんな見取り図が示されています。
SNSで広がる「Becoming Chinese」動画にも言及
謝氏はSNS上の動きとして、ハッシュタグ「Becoming Chinese」の動画が拡散しているとも述べました。米国の人々が、中国のライフスタイルや文化の要素を取り入れる様子を投稿しているという説明で、オンライン空間でも文化接点が増えていることを示唆しました。
旅行面:米国向け「240時間」ビザ免除トランジット
移動のハードルを下げる取り組みとして、謝氏は米国民向けの240時間(10日間)ビザ免除トランジット政策が実施されていると説明しました。より多くの来訪者が「リアルで、ダイナミックで、全体像のある中国」を体験できるよう歓迎したい、としています。
これから焦点になりそうなこと
謝氏は、北京がワシントンと協力し、文化交流を通じて人と人のつながりを強め、二国間関係を「安定的で、健全で、持続可能」な方向へ進めたいと述べました。今後の注目点は、
- 音楽・映画・観光といった具体的な交流プログラムが継続するか
- 人的往来を後押しする制度面(渡航・公演・上映など)の運用がどう進むか
- SNSを含む民間交流が、相互理解の“量”だけでなく“質”を高められるか
大きな政治テーマとは別のレイヤーで積み上がる接点が、両国関係の下支えになるのか。文化と日常から見える動きが、静かに試されています。
Reference(s):
Chinese ambassador stresses people-to-people bonds in China-U.S. ties
cgtn.com








