中国本土の湿地面積、アジア首位・世界4位に 法整備と復元が加速 video poster
中国本土の湿地保全が、法制度と現場事業の両輪で進み、湿地面積はアジアで最大、世界でも4位になった――国家林業・草原局が2026年2月時点の状況として示しました。
湿地面積「アジア首位・世界4位」:何が変わったのか
湿地は、生物のすみかになるだけでなく、水を蓄えて洪水リスクを和らげたり、水質を支えたりする基盤でもあります。近年、中国本土では保護と再生の取り組みが強化され、総湿地面積がアジア首位、世界4位に位置づけられたとされています。
進展を支える2つの柱:法整備と「段階管理」
1)法的保護の強化:地方レベルまでルールを更新
国家林業・草原局によると、新法や改正法を通じて湿地ガバナンス(保全のための仕組み)を整備し、省級の21地域が新しい地方規則を実施しています。ルールの更新が進むことで、保全の優先順位や開発との調整、監督の枠組みが明確になりやすくなります。
2)段階的な指定:重要度に応じて守り方を変える
湿地を一律に扱うのではなく、重要度に応じて管理する「段階管理」の枠組みが形になりつつあるといいます。指定状況は次の通りです。
- 国際的に重要な湿地:82カ所
- 国家的に重要な湿地:80カ所
- 省級の重点サイト:1,200カ所以上
この“層”を作る考え方は、保全と利用の線引きを細かくし、現場の管理資源を重点配分しやすくする点で注目されます。
「湿地都市」と「湿地公園」:保全を“日常”に近づける
今回の発表で目を引くのが、都市政策と市民利用の広がりです。中国本土は、国際認定の湿地都市が22とされ、数としては世界最多となっています。
また、国家湿地公園は903。そのうち約9割が無料開放され、年間の来訪は約3.2億人に上るとされています。保護区として“立ち入りを制限する”だけでなく、学習・観察・レクリエーションと両立させる設計は、社会の側に保全の支持基盤を作るアプローチとも言えます。
復元が最優先に:3,800超のプロジェクトで100万ヘクタール以上
保護と並んで、復元(劣化した湿地の回復)が重要課題として掲げられています。国家林業・草原局によれば、3,800件超の復元プロジェクトにより、100万ヘクタール以上の湿地が「復元または新規に追加」されたとのことです。
加えて、マングローブの回復や、外来侵入種の管理に向けた措置も盛り込まれています。復元は短期で成果が見えにくい一方、長期的には防災・生態系・地域の暮らしに波及するため、どの湿地をどう優先するかが継続的な焦点になりそうです。
数字の先にある論点:保全の「量」と「質」をどう両立するか
湿地面積の順位や指定数は、政策の進捗を端的に示す指標です。ただ、湿地の価値は面積だけで決まりません。水の出入り、生物のつながり、人の利用の仕方など、質の管理が積み重なってはじめて機能します。法整備、段階管理、都市・公園化、復元事業――それぞれの施策が、現場でどう噛み合っていくのか。2026年も、湿地政策の“運用の深さ”が注目点になりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








