海南・儋州で春節前の「干し赤魚」づくりが最盛期 無形文化遺産の手仕事
春節(旧正月)を2月中旬に控え、中国本土・海南省儋州市の港口村では、縁起物として親しまれる伝統食「干し赤魚」づくりが忙しさのピークを迎えています。地域に根付く保存の知恵が、いまも季節の風景として息づいています。
港口村に広がる“年越しの準備”
春節が近づくこの時期、港口村は年越し支度の空気に包まれます。漁師たちは海へ出て赤魚を獲り、戻るとすぐに加工へ。家々や作業場では、魚を手際よく下処理し、天日に干す光景が続きます。
こうした干し赤魚づくりは、何世紀にもわたり受け継がれてきたとされ、2022年5月に儋州市の無形文化遺産(無形文化財に相当)として認定されました。
干し赤魚が春節に選ばれる理由:縁起と実用性
干し赤魚は、繁栄や豊かさを象徴する食として、春節の贈り物や食卓で人気があるといいます。晴れた空の下で干して水分を飛ばすことで保存性が高まり、祝いの期間に合わせて用意しやすい点も支持される理由の一つです。
伝統製法の流れ:獲る・整える・塩・干す
港口村では、春節前の需要を見込み、地元の船団が北部湾で赤魚を漁獲し、伝統的な手順で加工します。基本の工程は次の通りです。
- 漁獲:春節前に赤魚を確保
- 下処理:うろこを落とし、内臓を取り、洗浄
- 塩漬け:塩で味と保存性を整える
- 天日干し:自然乾燥で旨味を凝縮し、日持ちする仕上がりに
機械に頼り切らず、手作業で一つひとつ状態を見ながら仕上げるのが特徴とされます。
「工房」で続く技術、手仕事がつなぐ季節感
現在、この技は村の工房や作業場で生き続けています。丁寧な手作業は時間がかかる一方で、仕上がりの味や見た目に直結します。漁の喜びと新年への願いが、加工のリズムに重なり、春節前の港口村らしい景色を形づくっています。
食文化としての干物が映すもの
干し赤魚づくりは、祝いの食であると同時に、冷蔵技術が限られていた時代から続く保存の技術でもあります。季節の漁獲を無駄にしない工夫、天候と向き合う段取り、地域の手仕事がまとまって「文化」になっている点が、この時期あらためて注目されます。
春節を前にした港口村の賑わいは、食の好みだけでなく、暮らしの知恵や地域の記憶が、日々の仕事の中で更新され続けていることも静かに伝えています。
Reference(s):
cgtn.com








