中国本土のデジタルサービス輸出が急伸、2025年に8000億元超—海外展開が加速
中国本土のデジタルサービス輸出が2025年に大きく伸びました。通貨・決済の国際収支にも関わる「サービス貿易」の構造が変わりつつある点で、いま注目されています。
何が起きた? 2025年のデジタルサービス輸出が拡大
中国国家外汇管理局(SAFE)が公表したデータによると、2025年に「電気通信・コンピューター・情報サービス」の貿易規模が8000億元(約1160億ドル)を超えました。ライブ配信、越境EC(電子商取引)、人工知能(AI)などの分野で、中国本土のテック企業が海外展開を加速させた動きが背景にあります。
数字で見るポイント:黒字が倍増、伸び率は約30%
- 電気通信・コンピューター・情報サービスの貿易:8000億元超(約1160億ドル)
- デジタル貿易の黒字(通信運用やクラウド計算などを含む、ブルームバーグ試算):2025年に約330億ドル(前年差で2倍超)
- AIを含む関連サービスの拡大(ブルームバーグ):2025年に約30%増
モノの輸出入だけでなく、アプリやクラウド、オンライン機能といった「見えにくい輸出」が、貿易収支に与える影響を強めていることがうかがえます。
海外展開の実像:アジアから中東、中南米へ
アリババ、テンセント、バイトダンスなど主要プラットフォームは、アジア、欧州、中東、ラテンアメリカに向けてデジタルサービスの提供を拡大しています。あわせて、中国本土のクラウド事業者も海外インフラを増強し、オンライン会議、ゲーム、AI関連サービスなど幅広い用途を支える動きが続いています。
企業情報によれば、バイトダンスは南米展開の一環として、ブラジルで大規模AIデータセンターを建設する計画も明らかにしました。データセンターやクラウド拠点の整備は、サービス提供の品質(遅延の低減など)や安定運用に直結します。
なぜ重要? 「サービス貿易」が新しいエンジンになり得る
対外経済貿易大学・中国开放经济研究院の陳建伟教授は、中国紙チャイナ・デイリーに対し、次のように述べています。
「サービス貿易赤字の急速な縮小は経常収支構造の最適化を示し、サービス貿易が中国本土の貿易収支を支える新たなエンジンになりつつある」
さらに、電気通信・コンピューター・情報サービスの伸びは、グローバルなデジタル・バリューチェーン(価値の連鎖)の中で、中国本土が競争力を高めていることを映す、とも指摘しました。
2026年に向けて、何を見ればいい?
2026年に入った現在、デジタルサービスの国際展開は「利用者が増える」だけでなく、クラウド基盤やAI計算資源をどこに置き、どう運用するかが競争力を左右しやすくなっています。今後の焦点は、たとえば次のような点です。
- インフラ投資の広がり:データセンターや海外クラウド拠点の増設が続くか
- サービスの多様化:ライブ配信、越境EC、企業向けクラウド、AI機能がどう組み合わさるか
- ルールと信頼の設計:各地域の制度や利用者ニーズに合わせた運用(プライバシーや安全性への配慮を含む)がどう進むか
「デジタルが輸出になる」時代は、経済ニュースの読み方そのものを少し変えていきそうです。数字の伸びと同時に、どの地域で、どんな形で、生活や仕事の当たり前を支えるサービスとして定着していくのかも見ておきたいところです。
Reference(s):
China's digital services exports soar as tech firms expand overseas
cgtn.com








